【歯学部受験応援コンテンツ】歯学部ではどんな勉強をするの?3-4年生編

3-4年生では『臨床医学』を新たに勉強する事になります。CBT・OSCEという臨床実習についても、現役の口腔歯科医師がお答えします。

基礎医学・臨床医学

 

■はじめに

歯学部・歯科大学は6年生です。今回お話しする3・4年生は、ちょうど中間に当たる学年で、この後に控えている臨床実習を受けるために重要な学年となります。

3・4年生では、基礎医学および臨床医学を勉強します。臨床医学の講座を修了したのちは、CBT・OSCEという臨床実習を受けるための必須試験が控えています。

■臨床医学

臨床医学とは、より実際の現場に近い医学講座のことをいいます。具体的には、歯周病学・保存修復学・歯内療法学・口腔外科学・口腔内科学・矯正歯科学・予防歯科学・小児歯科学・歯科放射線学・補綴学・インプラント学・高齢者歯科学・有病者歯科学などです。

なお、これらの講座名称は、大学によって異なる点があることはご了承下さい。

 

臨床医学分野について

歯周病学は、歯周組織に生じる病気を扱う臨床医学です。歯周外科という歯周病の外科的治療もここに含まれます。

保存修復学は小さなむし歯、歯内療法学は大きなむし歯の治療と思っていただいていいと思います。歯内療法学が担当になるほどの大きなむし歯では、歯の神経の治療が必要となります。

口腔外科学は、お口に関する外科的な治療法が必要な疾患を扱う学問です。大学によっては第一口腔外科学や第二口腔外科学にわけられています。親知らずに始まり、お口に生じた腫瘍や骨折等の外傷、顎の骨の変形症、先天異常、神経痛などを担当します。その分野は非常に広く、歯科の臨床医学の中では最も広範囲に及ぶといっても過言ではありません。

近年提唱されるようになったのが、口腔内科学です。細菌・ウィルス感染症、漢方医学・神経痛など薬物治療中心の診療や研究を担当しています。今までは、口腔外科学がこれらも担当していましたが、口腔内科学講座が設立された大学では、口腔内科学の専任となっています。

矯正歯科学は、歯列矯正を主に扱いますが、時には口腔外科学と連携することもあります。

予防歯科学は、むし歯の予防を主に、小児歯科学は小児に特徴的な歯科疾患の勉強をします。

歯科放射線学では、レントゲンの仕組みや写り方、読影方法を学びます。レントゲン以外のMRIや超音波検査などの画像診断全般が歯科放射線学の領域となります。

補綴学は、金歯・銀歯等の被せものから入れ歯までを広く学習する臨床医学講座です。大学内では、冠橋義歯補綴学・床義歯補綴学にわけられることが一般的です。口腔インプラント学は別に設立されてます。

高齢者歯科学や有病者歯科学は、近年の日本社会の高齢化によって設立されるようになった臨床医学分野です。高齢者の身体的、精神的特徴、基礎疾患のある場合の診療上の問題点等を専門的に学習します。

 

■CBT、OSCE

4年生時に実施されるCBTとOSCEとはどういうものでしょうか。

CBTとは、Computer Based Testingの略で、コンピュータを使った試験のことです。紙を使った従来型の試験と比べて、問題用紙を配ったり答案用紙を回収したりする手間がかからないという利点があります。

OSCEとは、Objective Structured Clinical Examinationの略で、日本語では客観的臨床能力試験と訳されます。OSCEは、社団法人医療系大学間共用試験実施評価機構が行なっています。

CBTでは、臨床実習を行なえるほどの医学的・歯学的知識を持っているかが問われます。

一方、OSCEは、CBTと比べてより実践的な試験となります。医学部と歯学部では試験内容に違いがあり、歯学部では患者の面接にはじまり、お口の中を診査・診断します。患者の血圧や脈拍等バイタルサインとよばれる基本的な状態を検査したり、テンポラリー・クラウン、臨床医はテックと呼ぶのですが、仮歯を作ったりする試験も行われます。

なお、OSCEが実施されているのは我が国だけではありません。1975年のイギリスを皮切りに、世界中で実施されています。

医学部とともに我が国ではCBTとOSCEをクリアすることが、臨床実習を受けるための必須条件となっています。

 

 

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