【歯学部受験応援コンテンツ】現役の口腔歯科医師が教える。歯学部ではどんな勉強をするの?<1-2年生編>
歯学部でのカリキュラムはどうなっているの?現役の口腔歯科医師が疑問にお答えします。<1-2年生編>
■はじめに
歯学部は医学部や薬学部と同じく6年制の大学となっています。従来は1年生と2年生の2年間を一般教養に当てていたところが大半でしたが、近年では一般教養の時間が短縮され、基礎医学が繰り上がる傾向があります。
■一般教養
歯学部に入学するとまず学ぶのが一般教養です。大学というところは、研究するところであると同時に、教養を涵養(かんよう)するところでもあります。
近年は、一般教養の講義時間を短縮している傾向にあり、早いところでは1年生で一般教養が終わってしまうところもみうけられます。
これは残念なことです。歯科医師は「先生」とよばれる職種です。「先生」とよばれるもの、やはり教養豊かでなければなりません。歯科のことしか知らない、いわゆる専門バカであってはならないと思うのは、筆者だけでしょうか。
歯学部での一般教養は、この後に控える医学歯学の講座に関連性が高いものが選ばれる傾向があります。
選択制の大学もあれば、選択の余地なく全て受講しなければならない大学もあり、そこは大学の特徴となっています。
一般教養では、語学や理数系科目、法学などを学びます。
語学では英語やドイツ語が多いです。医学におけるドイツ語の必要性は低下しつつありますが、昔からの慣習といったところでしょうか。
理数系科目は、数学・物理学・化学・生物学です。数学は、疫学にとって欠かせない科目ですし、論理的に物事を考察する習慣を身につけるために最適です。生物学は、その必要性を理解しやすいと思いますが、物理学や化学も歯学には必須です。レントゲンは物理学の分野ですし、歯科で用いられる材料も物理学に関係してきます。化学は薬物に関係してきます。
法学は、歯科医師に関係する法律関係の講義になります。
■基礎医学(歯学)
医学は基礎医学と臨床医学に分かれます。歯学も医学と同様に基礎と臨床にわかれます。
両者はそれぞれが単独で存在するものではなく、基礎なくして臨床はあり得ませんし、基礎だけでもその存在意義が低下してしまいます。
医学部の基礎医学では、生理学・微生物学・生化学・薬理学・組織学・解剖学・病理学・法医学を主に学びます。
歯学部では、医学よりも歯科関係に少し重点を置いた基礎医学になります。名前も少し異なり、口腔生理学・口腔細菌学・口腔生化学・歯科薬理学・口腔組織学・口腔解剖学・口腔病理学・法歯学となります。講座も名称は、大学によって差がありますので、必ずしもこれと一致するわけではありません。
大学によっては、たとえば解剖学を、歯に特化した”歯科解剖学”と全身を対象とする”解剖学”に細分化するなど、各講座に特徴づけているところもあります。
これらに加えて、歯学部に独特な基礎医学講座として、歯科理工学があります。歯科治療では、金属やコンポジットレジンとよばれるプラスチック、セラミック等の修復材料を多用します。ですので、修復材料の理工学的知識が必要となるのです。
■まとめ
歯学部でも他学部と同じように一般教養の講義があります。大学に通う以上、教養豊かな人間になることは、大切なことです。
一般教養の講義は、主に1〜2年生にかけて行なわれます。近年は講義時間が短縮され、基礎医学講座が繰り上がり、2年生から講義が始まるところがあります。
大学によってカリキュラムは異なりますので、詳細は志望する大学に問い合わせた方がいいでしょう。
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