【歯学部応援コンテンツ】現役の口腔歯科医師が教える。歯学部の現状、大学数とその推移、一般入試、推薦入試、センター利用などの記事です。
歯学部の現状(大学数、入試情報全般、国試合格率)等をまとめて紹介します。
■はじめに
歯科医師になるためには、歯学部・歯科大学に入学・卒業し、歯科医師国家試験に合格しなければなりません。
歯科医師国家試験の施行について
※厚生労働省HP参照
■歯学部・歯科大学の数
先の大戦前からの歴史のある旧制歯科医学専門学校の流れを汲む歯学部・歯科大学は、東京医科歯科大学、九州歯科大学、東京歯科大学、日本大学、日本歯科大学、大阪歯科大学の6校だけでした。
戦後、歯学部・歯科大学は増加します。
国公立大学では、東北大学、東京医科歯科大学、新潟大学、大阪大学、広島大学、九州歯科大学の6校、私立大学では、岩手医科大学、東京歯科大学、日本大学、日本歯科大学、神奈川歯科大学、愛知学院大学、大阪歯科大学の7校でした。
それが1965年を境に歯学部・歯科大学の数は増加し、現在に至ります。
○国公立大学国公立大学では、歯学部のある大学が12大学あります。九州歯科大学が県立であることを除いて、残りは全て国立です。1965年以降新しく誕生した国公立大学は、北海道大学、岡山大学、徳島大学、九州大学、長崎大学、鹿児島大学の6校です。 |
○私立大学私立大学は、歯学部のある大学が15大学ありますが、日本大学と日本歯科大学には二つ歯学部があるので、17学部になります。 1965年以降に新しく誕生した私立大学は、北海道医療大学、奥羽大学、明海大学、昭和大学、日本大学(松戸歯学部)、日本歯科大学(新潟歯学部)、鶴見大学、松本歯科大学、朝日大学、福岡歯科大学の10校です。 |
■歯学部・歯科大学の入試
○国公立大学前期と後期に分かれるのが一般的です。センター試験は、5教科7科目が課されます。前期試験ではセンター試験と二次試験科目として学力試験や面接試験が行なわれます。後期試験ではセンター試験と二次試験科目として小論文や面接試験が行なわれるところが多いです。学力試験の内容やその他については、大学ごとの違いもありますので受験を希望する大学に問い合わせた方がいいでしょう。推薦入試は、国公立大学でも枠が少ないながら行なわれています。出願条件は各大学によって異なります。 |
○私立大学私立大学の入学試験は、大学ごとの特色があり、センター試験を組み合わせているところもあります。一般入試が、前期・後期、A日程・B日程とわけるところもあれば、前期・中期・後期、前期・後期・後期Bとしているところもあります。試験科目は英語・数学・理科が中心で、小論文や面接試験が組み合わされます。センター試験の科目も含め大学ごとの違いが大きいので、詳しいところは各大学に問い合わせる方がいいでしょう。推薦入試もあります。出願基準は各大学で違います。 |
■歯学部・歯科大学の難易度
国公立が私立よりも偏差値では10〜20ほど上になります。
20〜30年前と比べて、特に私立の歯学部、歯科大学の偏差値の下落傾向が著しくなっています。
○国公立大学国公立大学では、東京医科歯科大学をトップにおおむね偏差値60以上となっています。 |
○私立大学現在の私立の歯学部、歯科大学では、偏差値が50を切るところが大半です。 定員割れを起こしている大学も散見されます。 |
■歯学部・歯科大学の国家試験合格率
歯学部、歯科大学を卒業しただけでは、まだ歯科医師ではありません。その後に待ち受ける歯科医師国家試験に合格して初めて歯科医師になることができます。
近年は、歯科医師国家試験の合格率は下落傾向にあり、ここ数年は60%台およそ2000人で推移しています。
ここで注意をしなければならないのが、この数字はあくまでも国家試験の合格率ということです。卒業できなければ、受験することすら出来ません。
大学入学後に、留年を経験せずストレートに歯科医師国家試験に合格率したものという視点で見ると、正確なデータはないのですが最近は留年者数が増加傾向にあるため、さらに下がってしまうものと思われます。
○国公立大学国公立大学の平均合格率は、東京医科歯科大学の90%台を筆頭におおむね70〜80%で推移しており、低くても60%台と私立大学の合格率を大きく引き離しています。 |
○私立大学私立大学の平均合格率は、東京歯科大学をトップに平均すると60%ほどですが、下位は30%台の大学もあり、ばらつきが目立ちます。 私立大学では入学から卒業まで、留年せずに進級できる学生が少なくなっていると聞きます。現在は半数に満たないのではないかとの話もあります。 |
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