歯学部1年生から知っておきたい勉強法|6年間を乗り切る「勉強の型」大全

歯学部の勉強法を学ぶ学生のイメージ

はじめに:歯学部の勉強は「積み上げ型」

歯学部の学習は、多くの大学では2~3年生で習う「基礎科目」がすべての土台となります。

解剖学・生理学・生化学などの内容は、4〜6年次の臨床科目(保存、補綴、外科など)に直結します。

つまり、最初の1〜2年で「勉強の型」を確立できるかどうかが、最終的な国家試験の合否を決定づけると言っても過言ではありません。

本記事では、2年生のうちに身につけたい勉強スタイル、思考法、リソース活用術を“型”として体系的に解説します。

STEP 1 歯学部の学びを俯瞰する

歯学部6年間の学習全体像イメージ

● 歯学部6年間の全体像

学年 主な学習内容 学習の目的
1年 基礎教養や歯学入門 人間力を養い、歯学への興味を高める。ただし歯学史は国家試験の必修問題でも出題されることもある
2〜3年 解剖・生理・生化学などの基礎医学 国家試験の”知識の土台”を形成。近年は基礎研究が注目され、出題が増えている
3〜4年 保存・補綴・矯正など専門科目 理論と臨床をつなげる訓練
5〜6年 臨床実習・国家試験対策 知識を”使う力”へ発展

低学年で学ぶことは「すぐに臨床に関係なさそう」に見えますが、国家試験では“基礎を臨床に応用できるか”が問われます。

つまり、低学年で覚えた解剖・生理の知識の1つ1つが、国試の合格を左右するのです。

STEP 2 歯学部2年生が身につけるべき「勉強の型」5選

効果的な勉強の型を実践するイメージ

型①:「スパイラル学習」思考

同じ分野を何度も回して復習する「反復学習」のことです。

例:

  • 1回目:講義ノートを読む(ざっくり理解)
  • 2回目:過去問を解きながら講義ノートを読み、不明点を参考書等で調べて学習を深める
  • 3回目:もう一度講義ノートを読み、理解の穴を埋める
  • 4回目:友人に説明する(記憶を固定)
ポイント

人間は「思い出す過程」で知識が強化されます。反復の”タイミング”を意識し、1日・1週間・1か月のサイクルを設計しましょう。

型②:「出題逆算型」学習

歯学部の講義は広範囲です。すべてを同じ密度で覚えるのは不可能であるため、「試験で問われやすい箇所から攻める」発想が重要になります。

  1. 先輩の試験過去問を入手する
  2. 定期試験で頻出のテーマをマークする
  3. 国家試験過去問(基礎科目分)と照らす
結果

「捨てる勇気」が生まれ、学習の効率が劇的に上がります。

型③:「ノート→要点カード→一問一答」変換法

講義ノートを”そのまま”見返すだけでは知識は定着しません。

おすすめは、

  • 講義後24時間以内に要点をまとめ直す
  • 「なぜ?」を自分の言葉で書く
  • カード化 or Quizletなどで反復練習
コツ
  • 「図解」や「色分け」で構造化する
  • 「声に出す」ことで五感を使う
  • 「書く → 話す → 解く」をワンセットにする

型④:「グループ学習」活用法

一人では気づけない”理解の穴”を仲間が埋めてくれます。歯学部では暗記量が膨大なため、協働学習が非常に効率的です。特に国試前の自宅学習期間におすすめです。

おすすめスタイル:

  1. 週1回の勉強会を設定(1時間)
  2. 各自が「自分の担当分野」を解説する
  3. クイズ形式で互いに出題する
ポイント

これを「教える前提」で準備すると、記憶が数倍強化されます。

型⑤:「メンタル×ルーティン管理」術

歯学部は”長期戦”です。「1日10時間勉強」よりも、「1日3時間を半年続ける」方がはるかに強い。

ルーティン例:

  • 朝: 暗記科目(生理学・生化学など)
  • 昼: 講義+要点メモ
  • 夜: 復習+翌日の準備
  • 週末: まとめノート作成・模試・リセット
モチベーション維持の鍵
  • 「合格者ブログ・SNS」で励まされる
  • 小さな達成を”見える化”する(アプリ・手帳)
  • 1か月ごとに「できたことリスト」を作る

STEP 3 使える教材・ツールリスト(2025年度版)

歯学部生向け学習教材とツールのイメージ

目的 ツール・教材例 コメント
解剖学の可視化 人体解剖カラーアトラス(Netterなど)』 図とリンクさせて記憶を定着させる
基礎問題演習 『デンタルベーシック問題集』など 国家試験の基礎力形成に最適
暗記支援 QuizletAnki 反復カードでスマホで手軽に復習
計画管理 StudyplusGoogleカレンダー 学習ログを可視化し、進捗を把握する

STEP 4 1年生のうちにやっておきたい3つの行動

  1. 「試験過去問」を早めに収集する
  2. 「国家試験問題」を1度だけでも見ておく
  3. 「予備校講義」を体験しておく(春・夏講習など)

特に3つ目は、早期から「国家試験の勉強スタイル」を体感できる貴重な機会です。

STEP 5 予備校の活用で”勉強の型”を定着させる

歯学部1〜2年生の段階でも、基礎科目を国家試験視点で教えてくれる専門予備校を併用することで、学びの方向性を早期に整えることが可能です。

予備校活用のメリット:

  • 出題傾向を踏まえた効率的な講義
  • 学習計画と進捗のフィードバック
  • メンタル面のサポート

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まとめ:1年生で「勉強の型」を作れば、6年間は楽になる

歯学部で成功する勉強の型を身につけたイメージ

  • 歯学部の学びは「積み上げ型」であり、基礎がすべてである。
  • 1年生で”基礎知識+学習法”を確立するのが最重要である。
  • 「スパイラル・逆算・協働・継続」の4原則を実践しよう。
  • 早期から国家試験を意識した学びを始めよう。

一言でまとめるなら:

「歯学部の勉強は”根気の勝負”ではなく、”型の勝負”。」

型さえ作れば、6年間は最短ルートで進めます。

 


著者プロフィール

CES歯科医師国試予備校 C先生

東京医科歯科大学首席卒業。CES歯科医師国家試験予備校講師。進級対策、国試対策ともにすべての範囲を担当しています。一見難しく感じる問題もわかりやすく解説します。