歯学部生が知っておくべき留年対策!押さえておきたい科目と攻略法

歯学部で留年しないために~特に注意する科目ごとの対策~

はじめに

留年。高校まではほとんど話題に上がることがないためみなさんの中には留年するとどういう状態になるのかよく分からない人も多いでしょう。今回は留年とはなんなのか、留年しないためには何に気を付ければいいのかについて少し見ていきましょう。

 

留年が決まるとどうなるのか

まず、留年とは何か。留年とはすなわち進級できないということです。留年すると次年度も同じ学年にて取れなかった単位(合格できなかった試験)を回収するために頑張らなくてはなりません。

 

留年すると見られる主なデメリットとしては、

・大学の学期制によって変わるが休学は基本的に半年からしか申請できないため、少なくとも半年分の学費を追加で支払うことになる。なお、1単位落とすとその学年の全単位を再履修するように決めている大学も多く、金銭的にも精神的にも追加の負担がかかるようになる。
・切磋琢磨するうちに築いた人間関係が自分を残して進級し、気まずくなってしまう上、試験対策などのためにも新しい人間関係を作らざるを得なくなる。
・卒業年度が遅れ、マッチングや就職活動の際に提出する履歴書にやや傷がつく。(とはいえ留年生や浪人生は山ほどおり、歯科は基本的に人手不足だということもあり、面接で留年期間について問われた際はなにかしら頑張ったことを言うことができればほとんど悪影響がでることはないと考えられる。)
・奨学金が止まる。再申請が可能でそうする際には作文を求められるなど手続きが煩雑になることが多い。
・要回収単位の講義がある時以外はやることがない。やることがある人については、留年すると仕送りをとめる方針の家庭もあるためアルバイト三昧であることが多い印象である。また、大学によっては将来的に研究室に入ってもらおうという目論見もあって留年した人を研究室でかくまう先生も多い印象がある。一部、留年休学を活用して海外短期留学に赴く人もいる。
・ライフステージに遅れが生じ、高校までの同級生の就職や結婚をSNSで見つける可能性が高くなる。
・1学年2回までしか留年できない、卒業までは合計〇回までしか留年できないなど決めている大学が多く、留年を重ねた場合は退学になる可能性が発生する。

などが挙げられる。ここまで読めばみなさんも留年がいかに避けられるのであれば避けたいものか分かったことでしょう。

では、次にどういった科目で留年が発生しやすいか見ていきましょう。

 

留年しやすい科目の特徴と対策

留年しやすい科目の特徴と対策

留年しやすい科目といえば、「範囲が広く知識量が多い科目」、「担当する先生にこだわりが強く、成績認定項目が多い科目」、「先輩から引き継がれる過去問などの資料がない科目」が挙げられます。

範囲が広く知識量が多い科目

主に組織学や解剖学、生理学がこれに当たります。ただし、この知識量を一つの科目で抑えるのが大変であることは基本的に先生も重々承知なので、試験が簡単だったり、過去問からあまり変わりがなかったり、出席の比重が大きかったり、小テストが課されたりと救済策がとられやすいです。

また、先に挙げた科目に関しては、名称など知識事項は多いですが、メカニズムを理解し、ストーリーづけて学習すると芋ずる式に覚えられるようになることが多いため意外と恐れることはないことが多いです。

担当する先生にこだわりが強く、成績認定項目が多い科目

担当する先生にこだわりが強い場合、過去問が通用しない、問題の言い回しが独特すぎて分かりにくい、試験が何度もあったりレポートがあったりと成績認定項目が多いなどの現象が発生します。しっかり勉強して過去問を抑えるのはもちろんのこととして、テスト返却があり質疑が可能である場合は積極的に質疑に向かいましょう。

印象に限るお話にはなりますが、こだわりの強い先生には、研究が楽しくてこの職に就いたものの大学の規則に則って学生教育を担当することになり、忙しい中頑張って講義を準備したにも関わらず学生は不真面目で講義自体がむなしいものになり、とはいえ学生の成績が悪いと大学の評価に関わるため偉い人に怒られ絶望するなど悲しい経験の末こだわりが強くなった人も多いので、質疑などで真面目に学習に取り込んでいる姿を見せると喜ぶ上好きな話をできて楽しくなりやすいです。思いを馳せて悪口はあまり言わないであげましょう。

成績認定項目については大学が発行している科目シラバスに記載されています。出席の割合などについてよく確認しましょう。今までずっと真面目で成績が良く留年の心配がない読者さんも、GPAを無理なく上げるには何を頑張ればいいのかおおよそを把握できるようになるので、シラバスは確認するようにしましょう。

先輩から引き継がれる過去問などの資料がない科目

回答欄と問題用紙が一体化して回収されたりデバイス上の試験だったりと、問題を回収できない科目は多く存在します。そういった場合でも何かしら正当な手段で問題は再現されていることがほとんどですが、そうでない場合は自分の学年からでも引き継ぐことができるよう学年の結束を高めてください。

過去問の有無では学習に必要な労力が大きく変わります。高校の頃は過去問なんて使わなかったし私は大丈夫だろうと思っている真面目な読者さんもいらっしゃるかもしれませんが、大学の試験は基本的に準備期間を考えずにスケジューリングされていることが多く、過去問の有無によってかかる精神的ストレスの大きさは段違いに変わります。

実際、しっかり試験準備を行ってから過去問を解いても、準備時は全てが大切に思えて要点を絞れず本当に大切なところに十分な力を注げていないために過去問があまり解けないという状況が発生することも多く、過去問は優秀な学習材料でもありますので、もし悪いイメージをもっている方がいらっしゃいましたらそれはやめましょう。

 

歯学部で開講される科目

大学によって開講される科目は様々ですが、おおよそどこの大学でも開講されそうな主要科目について学年ごとにまとめたものが以下です。

※黄色マークがついている科目は要注意科目です。

1年生

人間性を高める系選択科目、数学、物理入門、生物入門、物理、生物、一般化学、英語、第二外国語選択、グループワーク高める系の科目、歯学入門、病院・研究室見学実習

→・歯科において物理を使用する機会はそこまで多くないため物理や数学は緩めの科目になる印象があります。したがって、生物選択者に課される物理入門は緩いですが、物理選択者に課される生物入門は生物について一から叩き込まなければこの先話にならないということで厳しいです。

・一般化学は概念が物理に近く難しいが、その後歯科金属の性質を理解するための講義などでも必要になるためみっちり行われます。

・そのほかの科目は教養を高めるべく楽しく学習しましょう。

2年生

解剖組織生理発生、統計、倫理

→・それぞれ全身と口腔と二つの科目に分けられて行われがち。全て大変ですが理解すると楽しくなります。

3年生

歯型彫刻、感染免疫病理薬理、予防歯科、衛生放射線、法歯学、医科講義

→・2年で大変だった科目と同じような感じではありますがメカニズム等細かくて分かりにくいです。

4年生

歯科理工補綴(CrBr、PD、FD)硬組織保存(修復、エンド、ペリオ)インプラント、臨床体験実習、研究実習

→・初めて歯科特有の知識事項に触れるので、慣れると大した問題ではありませんが慣れるまでが大変です。

5年生

小児歯科矯正口外特殊義歯嚥下障害言語障害歯科心身症非歯原性歯痛高齢者歯科CBT、OSCE

→・歯科特有の知識が複雑になってきます。

・CBTに再試でも合格できなければ救済なく留年が決まります。

6年生

臨床実習、マッチング試験、臨床実地試験、卒試、実技試験、国試

→・歯科は臨床実習を忙しく設定している大学もあり、進路に関する予定と両立するこが大変です。

・国試の過去問を解き始めて初めて講義されていない分野があることに気づき、参考書での自習に追い込まれます。

まとめ

ここまで読めばみなさんも留年をさけるためにどのような動きをすればいいかなんとなく分かるようになったことでしょう。みなさんが効率よく学習し、いい成績で健康的に卒業できることを応援しています。