【国試問題解説】第118回歯科医師国家試験〜118D85

 

問題

No,118D85

 

矢印が示す部位への適切な対応はどれか。1つ選べ。

 

解説

選択肢 解説
a 処置は不要 歯槽骨にできた空洞は血液で満たされ、肉芽組織を経た後骨リモデリングによって形態を回復することが多い。上顎洞との交通がある場合も穴の大きさにはよるが自然に塞がることが多い。よってaは〇
b 上顎洞根治術 上顎洞根治術は難治性の上顎洞炎が起きた際に行われるものであり、CT画像から上顎洞炎の所見は見られない。よってbは×
c 結合組織移植術 結合組織移植術は歯肉形成術の一つであり、歯肉の厚みを増加させることで歯周組織の安定をもたらし、他の歯肉形成術を可能にする。よってcは×
d 骨補填材の填入 骨補填材の填入は歯周病による歯槽骨欠損に対して行われる。本問の骨空洞は閉鎖創となることが想定され、骨補填材填入時には中心部の血流も少なくなることを考えると生着の遅れが考えられ、骨補填材の存在がかえって感染源となる可能性も考えられる。よってdは×
e 酸化セルロースの填入 酸化セルロースは局所止血剤であり、抜歯後の止血やドライソケットの管理、外傷の管理に使用される。本問では止血困難の条件や所見が特にみられず、創の縫合も行うため特別な止血処置は不要だと考えられる。よってeは×

 


 

著者プロフィール

CES歯科医師国試予備校 C先生

東京医科歯科大学首席卒業。CES歯科医師国家試験予備校講師。進級対策、国試対策ともにすべての範囲を担当しています。一見難しく感じる問題もわかりやすく解説します。