歯学部のリメディアル|入学前に復習したい生物・化学と学習準備

結論

歯学部のリメディアルは、大学の授業に必要な基礎を補う学びです。入学前は指定課題を確認し、生物・化学の未履修や苦手単元を絞って復習しましょう。専門書の先取りより、基本用語を説明し、計算の途中式を書ける状態を目指します。

この記事の要点

  • 最初に確認するのは、大学から届いた入学前課題・推奨教材・案内。
  • 生物・化学は、未履修や苦手な単元を二つほどに絞って高校の基礎へ戻る。
  • 到達の目安は「基本用語を図と自分の言葉で説明できる」「計算の途中式を書ける」こと。
  • 入学手続や生活の準備も計画に入れ、続けられる量で進める。

本記事は、歯科医師の養成を目的とする6年制の歯学課程に在籍する方(入学予定者を含む)向けの学習ガイドです。履修時期、試験、進級・卒業要件は大学と入学年度で異なるため、所属大学の最新案内を優先してください。学習手順・比較表・週間計画は本記事の提案であり、全国共通の必須手順ではありません。

リメディアルの学習で優先したいこと

図表1 歯学部6年間の学習の流れ(一般的な目安)
入学前
高校の生物・化学・英語の基礎を補う
▲この記事
1年
教養科目と基礎の学習習慣づくり
2年
解剖・生理・生化学などの基礎歯科医学
3年
病理・薬理・歯科材料など専門科目
4年
臨床実習前の共用試験(CBT・OSCE)
5年
診療参加型臨床実習と振り返り
6年
卒業試験と歯科医師国家試験

科目の配置、共用試験の受験時期、臨床実習の開始時期は大学と入学年度で異なります。所属大学の履修要項・シラバスで確認してください。

入学前の準備は大学の指定課題から始める

合格後に何を勉強するか迷ったら、まず大学から届いた入学前教育、課題、推奨教材を確認してください。入試で選択した科目や高校での履修歴によって、必要な準備は違います。生物を履修していない人と、化学の計算が苦手な人が同じ順序で取り組む必要はありません。

入学前後の基礎補強を、自分の履修歴に合わせて進めたい場合は、リメディアルコースで、未履修科目や苦手単元から学習範囲を一緒に整理できます。

図表2 入学前の準備を進める5つのステップ
STEP 1
課題を確認
大学の入学前課題・推奨教材・案内を集める
→
STEP 2
履修歴を整理
高校で履修した科目、苦手な単元を書き出す
→
STEP 3
範囲を絞る
今週取り組む単元を二つ決める
→
STEP 4
説明・途中式
図と言葉で説明し、計算は途中式を残す
→
STEP 5
課題へ戻る
大学の課題を解き直し、つながりを確かめる

生物は細胞・遺伝情報・体の働きを結びつける

生物では細胞、細胞膜、タンパク質、酵素、遺伝情報などの基本用語を確認します。名称を一列に暗記するだけでなく、細胞の中のどこにあり、何に関わるかを簡単な図で示してください。詳しい専門用語を増やすより、教科書の基本図を自分の言葉で説明することを重視します。

化学は物質量・濃度・酸と塩基の基本を確認する

化学は原子・分子・イオンの違い、化学結合、物質量、濃度、酸と塩基などを高校の教材で復習します。計算は答えだけでなく、何を求めるか、与えられた値の単位、使う関係式を順に書きます。桁や単位の変換で止まる場合は、そこを独立した練習課題にしてください。

例として、物質量0.10 molを含む溶液の体積が0.50 Lなら、モル濃度は0.10÷0.50=0.20 mol/Lです。これは学習用の単純な計算例です。数値を変えて解き直し、なぜ溶液の体積で割るのかを説明できるか確かめましょう。

英語と学習習慣も、無理のない範囲で整える

英語は大学の指定教材があればそれを優先し、短い文章の主語と述語、基本語彙を確認します。専門用語集を大量に買う必要はありません。文章の構造を確かめ、分からない単語を調べ、読み直す流れをつくっておくと、入学後の教材にも取り組みやすくなります。

生活面では勉強を始める時刻と場所を決め、短い復習を続けます。準備期間をすべて勉強で埋めず、入学手続、通学、生活の調整も予定に入れてください。学習量は周囲との比較ではなく、今週できるようになった説明や問題で確かめます。

図表3 科目別|入学前に確認したいポイント
科目・領域 確認したいこと できたかの目安
生物 細胞・細胞膜・タンパク質・酵素・遺伝情報などの基本用語 教科書の基本図を見ながら、場所と働きを自分の言葉で説明できる
化学 原子・分子・イオン、化学結合、物質量、濃度、酸と塩基 求める量・単位・関係式を順に書き、数値を変えても解ける
英語 大学の指定教材、短い文章の主語と述語、基本語彙 文の構造を確かめながら、辞書を使って読み直せる
学習習慣・生活 勉強する時刻と場所、入学手続・通学・生活の準備 短い復習を一週間続けられ、予定に無理がない

つまずきに合わせた対策の比較

今の困りごとに近い行を選び、「確認する点」から試してください。複数に当てはまる場合は、提出期限や試験日が近いものから取り組みます。

図表4 困りごと別の確認ポイントと次の行動
困りごと 確認する点 次の行動
生物が未履修 基本用語と図の意味 細胞の単元から短く復習する
化学計算が苦手 単位・立式・計算のどこで止まるか 途中式を残して解き直す
何から始めるか迷う 大学の指定課題と高校の履修歴 今週の二単元を決める
英語の教材が進まない 語彙と文構造のどちらで止まるか 指定教材の短い文章を読み直す

一週間の学習計画例

図表5 一週間の学習計画例(計画例であり標準プランではありません)
時期 取り組み できたかの確認
月曜 大学の課題と基本問題から復習範囲を決める。 復習する二単元を書き出せた
火〜木曜 生物の説明と化学の基本計算を交互に練習する。 教材を見ずに用語を一つ説明できた
金曜 教材を閉じて図と計算を再現する。 図と計算を自力で再現できた
週末 残った疑問を整理し、次週の量を調整する。 翌週の量を決め、無理がないか確認した

授業・実習・体調に合わせて量を調整し、説明できた内容と解き直せた問題から翌週の課題を決めましょう。

架空の学習相談例

説明用の架空例

学生:生物を選択していないので、入学後が不安です。

講師:最初に、細胞の基本図で説明できる部分を確認しましょう。

学生:用語は見たことがありますが、働きの説明ができません。

講師:では今週は細胞膜とタンパク質に絞り、図を使って説明する練習をします。

実在する受講者・講師の会話や体験談ではなく、成績や合格を保証するものでもありません。

まとめ|今の課題から次の一歩を決める

入学前の準備では、未履修の有無だけで自分の適性を判断しないことが大切です。大学の課題を起点に、止まった単元まで戻りましょう。基礎の不足が整理できないときは、解いた問題と途中式を持って相談してください。

リメディアルの学習でよくある質問

Q1.生物未履修でも歯学部で学べますか?

未履修だけで判断はできません。大学の課題を確認し、授業に必要な細胞や遺伝情報などの基本から補いましょう。

Q2.入学前から国家試験問題集が必要ですか?

まず指定課題と高校基礎を優先します。未習の専門問題を大量に解くことを入学準備の目標にする必要はありません。

Q3.リメディアルは入学前だけですか?

入学後に分かった基礎の不足を補う学習にも役立ちます。大学の支援制度や相談窓口も確認してください。

Q4.毎日何時間勉強すればよいですか?

共通の時間数はありません。残り期間と課題量に合わせ、翌日も続けられる量を設定し、自力で説明できるか確認します。

Q5.推薦合格者は特別な対策が必要ですか?

選抜方式だけで必要な対策は決まりません。高校の履修内容、基本問題の解答、大学の指定課題から判断します。

理解度確認テスト10問

記事の要点を確認するセルフチェックです。大学の試験問題や、公式の評価・合格判定ではありません。答えを考えてから、解答と解説を開いて確認してください。

  1. 復習計画を立てる前に見る資料は?
    解答・解説を開く

    解答:大学の入学前課題や案内。

    解説:大学から求められる内容を先に把握します。

  2. 未履修科目は全部一度に学び直す?
    解答・解説を開く

    解答:必要な基本単元から取り組む。

    解説:優先順位をつけると復習の範囲を限定できます。

  3. 生物用語の理解をどう確かめる?
    解答・解説を開く

    解答:図と自分の言葉で働きを説明する。

    解説:見覚えがあることと説明できることは異なります。

  4. 計算で最初に書くものは?
    解答・解説を開く

    解答:求める量と与えられた値の単位。

    解説:立式前の整理で誤りの場所を見つけやすくします。

  5. 0.10 mol、0.50 Lのモル濃度は?
    解答・解説を開く

    解答:0.20 mol/L。

    解説:物質量を溶液の体積で割ります。

  6. 同じ計算を復習する工夫は?
    解答・解説を開く

    解答:数値を変えて自力で解く。

    解説:答えの記憶だけで解けていないか確かめます。

  7. 英語は専門語の大量暗記から始める?
    解答・解説を開く

    解答:指定教材と文章の基本構造を優先する。

    解説:大学の案内と現在の理解度に合わせます。

  8. 復習の終了は何で判断する?
    解答・解説を開く

    解答:基本問題や説明を自力で再現できるか。

    解説:読んだページ数だけでは理解を判断できません。

  9. 計画に入れる学習以外の予定は?
    解答・解説を開く

    解答:入学手続、通学や生活の準備。

    解説:実行できる時間を見積もるためです。

  10. 相談時に役立つものは?
    解答・解説を開く

    解答:教材、解いた問題、途中式。

    解説:具体的なつまずきを共有できます。

学年ごとの課題を、マンツーマンで整理しませんか

CES歯科医師国試予備校は、講師1人・生徒1人の完全マンツーマン指導です。福岡での通学と全国からのオンライン受講に対応し、大学の授業・定期試験・共用試験・国家試験まで、今の課題に合わせて学習計画を立てます。相談の際は、所属大学、学年、試験範囲、間違えた問題や途中式をお知らせください。

電話受付:月〜土 8:30〜22:00/日・祝 10:00〜18:00

執筆・編集:CES歯科医師国試予備校 講師チーム

監修:岩崎 陽一(株式会社アクト 代表取締役)。医療系国家試験・医歯薬系大学の学習指導に30年以上携わり、学年ごとのつまずきに合わせた個別指導を統括。

最終更新日:2026年10月30日