歯学部4年生のCBT・OSCE対策|知識と技能を分けて準備する
結論
歯学部4年生のCBT・OSCE対策では、知識を問う演習と、態度・技能を確かめる練習を分けて計画します。所属大学の実施時期と案内を確認し、基礎と臨床の横断復習、誤答分析、指導を受けた実技練習を組み合わせましょう。
この記事の要点
- 共用試験はCBT(知識)とOSCE(態度・基本的な臨床技能)の2本立て。演習と実技練習は別枠で計画する。
- 共用試験は2024年4月から歯科医師法に基づく試験になり、合格は臨床実習で歯科医業を行う要件、国試の受験資格の要件でもある。
- CBTは分野別演習→誤答・不確かな正答の整理→混合演習の順で定着を確かめる。
- OSCEは公開資料と大学の指導を基準に、動作と説明を同時に練習し、観察と助言を受ける。
本記事は、歯科医師の養成を目的とする6年制の歯学課程に在籍する方(入学予定者を含む)向けの学習ガイドです。履修時期、試験、進級・卒業要件は大学と入学年度で異なるため、所属大学の最新案内を優先してください。学習手順・比較表・週間計画は本記事の提案であり、全国共通の必須手順ではありません。
4年生の学習で優先したいこと
科目の配置、共用試験の受験時期、臨床実習の開始時期は大学と入学年度で異なります。所属大学の履修要項・シラバスで確認してください。
共用試験の役割と自大学の受験予定を確認する
臨床実習前に受ける共用試験は、知識を評価するCBTと、態度・基本的な臨床技能を評価するOSCEで構成されます。歯学系の共用試験は、2021年5月の歯科医師法改正により公的な試験に位置づけられました。共用試験に合格した歯学生は、臨床実習で歯科医師の指導監督の下に歯科医業を行えるようになり(2024年4月施行)、共用試験の合格は歯科医師国家試験の受験資格の要件にもなっています(2026年4月施行)。厚生労働省の資料では、2027年1月実施予定の第120回歯科医師国家試験から、国内の歯科大学・歯学部の卒業者は共用試験の合格が受験資格に加わると説明されています。対策を始める際は、大学の受験案内と医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)の公開情報を確認してください。
| 時期 | 出来事 | 学生にとっての意味 |
|---|---|---|
| 2021年5月 | 歯科医師法の改正法が成立 | 共用試験を公的な試験として位置づける方針が法律に |
| 2024年4月 | 共用試験合格者の臨床実習での歯科医業に関する規定が施行 | 合格した歯学生は、歯科医師の指導監督の下で臨床実習において歯科医業を行える |
| 2026年4月 | 共用試験合格の受験資格要件化が施行 | 第120回国試(2027年1月実施予定)から、国内の歯学部卒業者は共用試験合格が受験資格に |
出典:厚生労働省「公的化後の共用試験に関する意見の概要」「歯科医師国家試験の現況」。経過措置などの詳細は大学と公式案内で確認してください。
CBTは分野別の理解と混合演習を組み合わせる
最初は履修済みの分野を解き、誤答と根拠が不明な正答を整理します。解けなかった問題をすべて同じ扱いにせず、基礎知識の不足、病態との接続不足、設問の読み落としに分けてください。弱い分野は教科書や授業資料に戻り、短い説明をしてから解き直します。
OSCEは手順・説明・安全への配慮を確認する
OSCEの準備は、大学の指導と公開された課題サンプルを基準にします。手順を頭で覚えるだけでなく、声に出した説明や実際の動作を確かめてください。相手への配慮、確認、必要な説明など、技能と態度の両面を意識して振り返ります。
練習では一度に直す項目を絞り、指導者や練習相手から具体的なフィードバックを受けます。文章で流れが言えても、動作と同時に説明すると止まることがあります。実際の練習環境で確認し、教材を読む時間だけで技能練習を済ませないようにしましょう。
2023年6月にまとめられた厚生労働省の部会意見では、公的化後のOSCEは課題の数と種類を統一し、2024年度から「医療面接」1課題、「歯科治療に必要な診察と検査」1課題、「基本的臨床技能」4課題の計6課題とすることが適当とされました。実際の課題構成や評価方法は、当該年度の公式案内で確認してください。
大学の練習機会に加えて、知識の整理や説明の練習を個別に進めたい場合は、CBT・OSCE対策コースで学習計画を相談できます。
| 項目 | CBT | OSCE |
|---|---|---|
| 評価するもの | 臨床実習前に必要な知識 | 態度と基本的な臨床技能 |
| 形式 | コンピューターで出題される多肢選択式。CATOの2023年の資料では、1ブロック60分×6ブロック・計320設問の実施例が示されている | 課題ごとに医療面接や手技などを行い、評価者が評価する。2023年6月の部会意見では、2024年度から計6課題(医療面接1・診察と検査1・基本的臨床技能4)とすることが適当とされた |
| 主な準備 | 分野別演習、誤答と不確かな正答の整理、混合演習 | 公開資料と大学の指導に沿った実技練習、観察と助言 |
| 確認先 | 当該年度の大学の受験案内とCATOの公開情報 | 当該年度の大学の受験案内とCATOの公開情報 |
出題数や時間、課題構成は変更される可能性があります。本番の条件は必ず当該年度の公式案内で確認してください。
直前期は新規教材より弱点と当日の準備を点検する
受験までの残り期間が短くなったら、誤答の多い分野と繰り返し指摘された動作を優先します。模試や練習結果の総点だけでなく、どこに取りこぼしがあるかを見てください。全国共通と確認できない目標点や課題数を、自己判断で合格条件に置き換えないことが重要です。
当日の集合時間、必要書類、持参物、端末や機器の扱いは大学の案内を確認します。前夜に新しい範囲を詰め込み過ぎず、睡眠と移動の余裕を確保してください。不安が強い場合は、試験準備の不足と気持ちの負担を分けて相談し、実行できる計画に整えましょう。
つまずきに合わせた対策の比較
今の困りごとに近い行を選び、「確認する点」から試してください。複数に当てはまる場合は、提出期限や試験日が近いものから取り組みます。
| 困りごと | 確認する点 | 次の行動 |
|---|---|---|
| CBTの知識が不安定 | 誤答と根拠が不明な正答 | 基礎へ戻り混合演習で確認 |
| OSCEで説明が止まる | 動作と発話の両立 | 観察と助言を受けて反復 |
| 直前期に焦る | 残る弱点と当日の条件 | 優先順位と持参物を点検 |
一週間の学習計画例
| 時期 | 取り組み | できたかの確認 |
|---|---|---|
| 月曜 | 大学の予定と分野別の理解度を確認する。 | 受験日と分野別の理解度を一覧にした |
| 火〜木曜 | CBTの弱点復習とOSCE練習を別枠で行う。 | CBTの弱点とOSCEの練習を別枠で実施した |
| 金曜 | 混合問題と、助言を受けた動作を再確認する。 | 混合問題で根拠を説明でき、指摘された動作を再確認した |
| 週末 | 改善しない項目を相談し、翌週の配分を調整する。 | 改善しない項目を相談し、翌週の配分を決めた |
授業・実習・体調に合わせて量を調整し、説明できた内容と解き直せた問題から翌週の課題を決めましょう。
架空の学習相談例
説明用の架空例
学生:CBTの問題を増やしているのに、点数が安定しません。
講師:正解した問題の根拠も説明できますか。
学生:消去法で選べただけの問題が多いです。
講師:では不確かな正答も復習対象にして、基礎の説明から確かめましょう。
実在する受講者・講師の会話や体験談ではなく、成績や合格を保証するものでもありません。
まとめ|今の課題から次の一歩を決める
CBTとOSCEは評価する力が異なります。知識の演習と実技の確認をそれぞれ計画し、弱点を具体的に修正しましょう。直前期も新しい教材を増やす前に、誤答の理由と指導で指摘された項目へ戻ることが大切です。
4年生の学習でよくある質問
Q1.CBTとOSCEは同じ勉強で対策できますか?
関連する知識はありますが、OSCEには態度や技能の練習が必要です。問題演習と実技確認を分けて準備してください。
Q2.CBTの合格基準は何割ですか?
自己流の割合で判断せず、当該年度の共用試験実施評価機構(CATO)と大学の正式案内を確認してください。模試や演習で設定する目標点と、公式の判定基準は区別して考えます。
Q3.OSCEは一人で練習してもよいですか?
手順の確認はできますが、自己評価だけでは見落としもあります。大学の指導下などで観察と助言を受けましょう。
Q4.4年生以外で受験する大学もありますか?
受験時期は大学のカリキュラムで確認してください。本記事の学年を全国一律の実施時期として扱わないでください。
Q5.苦手分野だけ解けば十分ですか?
弱点補強に加え、複数分野を混ぜた演習で定着を確認します。得意分野も根拠を説明できるか点検しましょう。
理解度確認テスト10問
記事の要点を確認するセルフチェックです。大学の試験問題や、公式の評価・合格判定ではありません。答えを考えてから、解答と解説を開いて確認してください。
- CBTが主に評価するものは?
解答・解説を開く
解答:知識の修得度。
解説:コンピューター上の問題で確認します。
- OSCEで評価されるものは?
解答・解説を開く
解答:態度と基本的な臨床技能。
解説:知識だけでは準備できない部分があります。
- 歯学系の公的試験化はいつから?
解答・解説を開く
解答:2024年度。
解説:制度は機構の公式説明で確認できます。
- 日程と持参物を確かめる資料は?
解答・解説を開く
解答:当該年度の大学の受験案内。
解説:過年度情報だけに頼らないためです。
- 根拠が不明な正答は復習する?
解答・解説を開く
解答:復習対象にする。
解説:偶然の正解では理解が確かめられません。
- 分野別演習の後に取り入れるものは?
解答・解説を開く
解答:複数分野の混合演習。
解説:必要な知識を取り出す練習になります。
- OSCE練習で受けたいものは?
解答・解説を開く
解答:具体的な観察とフィードバック。
解説:自分では気づかない動作を修正します。
- 公開課題は本番出題の予告?
解答・解説を開く
解答:予告とは扱わない。
解説:形式や内容を知る参考資料です。
- 直前期に優先するものは?
解答・解説を開く
解答:誤答の多い分野と反復して指摘された項目。
解説:限られた時間の配分を明確にします。
- 合格条件を自己流で決めてよい?
解答・解説を開く
解答:公式案内を確認する。
解説:目標と正式な判定条件を区別します。
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執筆・編集:CES歯科医師国試予備校 講師チーム
監修:岩崎 陽一(株式会社アクト 代表取締役)。医療系国家試験・医歯薬系大学の学習指導に30年以上携わり、学年ごとのつまずきに合わせた個別指導を統括。
最終更新日:2026年10月30日