第120回歯科医師国家試験対策|119回で先取りされた令和9年版ブループリントと現役生・既卒生別の勉強法

第120回歯科医師国家試験対策

第120回歯科医師国家試験対策|119回で先取りされた新ブループリントと合格戦略

第120回歯科医師国家試験から採用予定の令和9年版出題基準・ブループリントについて、119回国試で見えた出題変化、タキソノミーのレベル上昇、現役生・既卒生別の対策、5月から1月までの月別学習計画をCES歯科医師国試予備校が解説します。

この記事のポイント:
第120回から令和9年版出題基準が採用予定です。ただし、第119回の時点で、臨床判断・摂食嚥下・初期救急・基礎と臨床の融合など、新ブループリントの方向性を先取りする出題が見られました。

令和9年版の歯科医師国家試験出題基準が公表されました

厚生労働省は、令和9年版歯科医師国家試験出題基準を公表しました。今回の出題基準は、第120回歯科医師国家試験、令和9年実施分から採用される予定です。
厚生労働省のページでは、令和9年版歯科医師国家試験出題基準として、改定概要、出題基準の利用法、ブループリント、必修の基本的事項、歯科医学総論、歯科医学各論などが公開されています。
出典:厚生労働省「令和9年版歯科医師国家試験出題基準」

今回の改定で特に重視されたのは、次の2点です。

改定ポイント 国試対策上の意味
情報倫理及びデータ保護に関する内容 診療録、電子カルテ、医療情報、個人情報保護、データ管理を臨床場面で判断できる力が必要
病院歯科等の役割に関する内容 周術期口腔機能管理、医科歯科連携、有病者歯科、入院患者対応、地域連携の理解が重要

つまり、第120回以降の国試対策では、保存・歯周・補綴・口腔外科・小児・矯正といった従来の主要分野に加えて、医療情報の扱い方病院歯科・地域医療における歯科医師の役割を、より実践的に理解する必要があります。

出題基準は「暗記する表」ではなく「出題の方向性を読む設計図」

歯科医師国家試験出題基準は、国家試験の内容・範囲・水準を確保するために試験委員が参照するものです。ただし、出題基準は歯学部卒前教育のすべてを網羅するものではなく、教育内容そのものを拘束するものでもありません。

したがって、受験生がやるべきことは、出題基準の項目名を丸暗記することではありません。

見るべき点 具体的な意味
どの領域が重いか 必修・総論・各論の出題割合を把握する
何が新しく強調されたか 情報倫理、データ保護、病院歯科等の役割を確認する
どう問われるか 単純暗記ではなく、臨床判断・制度理解・倫理判断として問われる可能性を考える

CES歯科医師国試予備校では、ブループリントを「範囲表」として読むだけではなく、過去問・模試・臨床実地問題・必修対策に変換することを重視します。

令和9年版ブループリントの出題割合

令和9年版のブループリントでは、全体の出題構成は大きく次の3領域に分けられています。
出典:厚生労働省「令和9年版歯科医師国家試験出題基準」

区分 出題割合
必修の基本的事項 約22%
歯科医学総論 約28%
歯科医学各論 約50%

最も大きいのは、歯科医学各論の約50%です。保存、歯周、補綴、口腔外科、小児、矯正、高齢者・有病者歯科など、臨床科目の総合力が合否を大きく左右します。

一方で、必修の基本的事項も約22%を占めています。医療倫理、医療安全、感染対策、診療録、社会保障、初期救急、情報管理などを軽視すると、足切りリスクにつながります。

第119回国試は新ブループリントを「先取り」していたのか

CES歯科医師予備校の記事では、第119回歯科医師国家試験について、新ブループリントの方向性がすでに先取りされていたと評価されています。これは、形式上は令和5年版出題基準で実施された試験であっても、出題内容の質としては、令和9年版で強調される「臨床・制度・倫理をつなげる力」に近づいていたという意味です。

詳しくは、CES歯科医師予備校の

令和9年版 歯科医師国家試験 新ブループリント完全解説|第120回で何が変わるのか?第119回の傾向分析と対策

でも解説されています。CESの記事では、令和9年版ブループリントを「どこが出るか」を機械的に断定するものではなく、今後の出題の方向性を読む土台として理解することが重要だと説明しています。

この評価は妥当です。ただし、正確には「第119回が令和9年版出題基準で実施された」という意味ではありません。厚生労働省は、令和9年版出題基準を第120回から採用するとしています。したがって、第119回は新基準の正式適用前でありながら、出題思想としては移行期に入っていた回と見るのが適切です。

第119回で見えた本質的な変化|タキソノミーのレベルが上がった

第119回歯科医師国家試験では、全体合格率が61.9%、新卒合格率が80.2%でした。厚生労働省の発表資料では、受験者2,837人、合格者1,757人、全体合格率61.9%、新卒合格率80.2%と示されています。
出典:厚生労働省「第119回歯科医師国家試験の合格発表について」

特に注目すべきは、単に「難しくなった」というより、問題の解き方が変わってきた点です。

従来型の国試対策では、用語・疾患名・処置名・数値を覚える「知識の再生」が中心になりがちでした。しかし第119回では、知識を覚えているだけでなく、症例文、画像、検査値、患者背景、全身疾患、服薬情報をもとに、何を意味するのかを解釈し、次にどう判断するのかが問われる問題が目立ちました。

これは、教育評価でいうタキソノミーの上位レベル化と捉えることができます。

タキソノミーの段階 国試での出題イメージ
記憶 用語、疾患名、法律名、数値を覚えているか
理解 病態や制度の意味を説明できるか
応用 知識を症例や臨床場面に使えるか
分析 症状、画像、検査値、背景因子を分けて考えられるか
評価 複数の選択肢から最も適切な対応を判断できるか

第119回で増えたのは、単なる「暗記問題」ではなく、応用・分析・評価に近い問題です。つまり、推論問題の増加とは、単にひねった問題が増えたということではありません。国試が、知識の有無を確認する試験から、知識を臨床場面で使えるかを確認する試験へ移行しているということです。

第119回で見えた出題変化

1. 初見の臨床場面で推察する問題が増えた

第119回では、典型パターンをそのまま覚えていれば解ける問題だけでなく、症例文、検査値、画像、患者背景から判断する問題が目立ちました。

たとえばCESの解説記事では、C21として、飲水時のむせ、反回神経麻痺、嚥下内視鏡検査、スクリーニング結果をもとに、直ちに行う対応を判断する問題が取り上げられています。これは単なる嚥下の用語暗記ではなく、高齢者・摂食嚥下・臨床判断を組み合わせる問題です。
関連記事:第119回歯科医師国家試験の解説 C21

このような問題は、タキソノミーでいえば「記憶」ではなく、理解・応用・分析・評価に近い出題です。第120回以降も、過去問の正答を覚えるだけではなく、初見の臨床場面で判断する練習が必要になります。

2. 必修でも「現場で判断する基本」が問われた

CESの解説記事では、C6として回復体位の目的を問う問題も取り上げられています。回復体位は、単なる医学知識というより、救急対応・安全管理・上気道管理の基本に関わる内容です。
関連記事:CES国家試験対策記事一覧

これは令和9年版ブループリントの必修領域にある「初期救急」「診察の基本」「治療の基礎・基本手技」とも相性がよい出題です。第120回以降も、必修では「知っているか」だけでなく、安全な対応を選べるかが問われると考えられます。

3. 基礎医学と臨床の接続が強まった

第119回では、薬理、免疫、発生、症候群、全身疾患と口腔症状の関係など、基礎と臨床をつなぐ問題も目立ちました。

たとえばCESの解説記事では、C13として矯正歯科治療における歯の移動と薬剤の関係を問う問題が取り上げられています。これは矯正の知識だけではなく、骨リモデリング、薬理、NSAIDsの理解を組み合わせる問題です。
関連記事:第119回歯科医師国家試験の解説 C13

また、C54ではSjögren症候群と悪性リンパ腫の関連、C87では遺伝疾患・頭蓋顔面形態・画像所見をもとに診断する問題が扱われています。これらは、暗記した単語を選ぶだけではなく、病態、画像、全身疾患、鑑別診断をつなげて考える必要があります。
関連記事:第119回歯科医師国家試験の解説 C54

CESとしての評価|119回は「120回対策の予告編」だった

第119回の出題傾向は、令和9年版ブループリントの正式適用前でありながら、次の方向性をすでに示していました。

第119回で見えた傾向 第120回以降への意味
推察力を問う臨床問題 過去問の丸暗記ではなく、初見問題への対応力が必要
タキソノミーの上位レベル化 記憶だけでなく、応用・分析・評価まで求められる
高齢者・嚥下・全身管理 病院歯科、有病者歯科、地域包括ケアと接続
基礎医学と臨床の融合 薬理、免疫、発生、材料を臨床場面で使える形にする
必修での基本対応 医療安全、初期救急、感染対策、情報管理を落とせない
既卒合格率の低下 知識の更新不足、演習の質、復習方法の差が出やすい

CES歯科医師予備校の記事でも、第119回は「新基準の適用日にいきなり切り替わる」のではなく、試験委員会が数回前から方向性を織り込んでいく流れの中にあると評価しています。第119回を「第120回の前哨戦」として捉えることは、第120回対策において非常に重要です。

現役生向け|第120回歯科医師国家試験対策

現役生にとって最も重要なのは、大学の講義・定期試験・卒業試験・国家試験対策を分けすぎないことです。

第120回から令和9年版出題基準が採用されますが、現役生は新しいテーマだけを追いかける必要はありません。まずは大学で学んでいる内容を、国試で問われる形に変換することが大切です。

現役生が優先すべき3つの対策

1. 必修を早期から固める

医療倫理、医療安全、感染対策、診療録、初期救急、情報管理を早期から整理しましょう。

2. 授業内容をすぐ過去問に接続する

保存・歯内、歯周、補綴、口腔外科、小児・矯正は、講義後すぐに国試過去問へ接続すると定着しやすくなります。

3. 第119回型の「タキソノミー上位問題」に慣れる

正答を覚えるだけでなく、「なぜ正解か」「なぜ他の選択肢は違うか」「どの臨床場面で使う知識か」を確認しましょう。

現役生向け|月別年間学習イメージ

学習方針
5月 大学の授業範囲を国試過去問に接続し、必修・保存・歯周・補綴の基礎確認を始める
6月 医療倫理、医療安全、感染対策、診療録、情報倫理を整理する
7月 保存、歯周、補綴、口腔外科の頻出テーマを一巡する
8月 夏休みに苦手科目を集中補強し、過去問演習量を増やす
9月 卒試対策と国試対策を統合し、模試で弱点を確認する
10月 臨床実地問題、画像問題、検査値問題を強化する
11月 必修の足切り対策、法律・制度・公衆衛生を整理する
12月 卒試後の弱点補強、各論の頻出疾患、補綴・外科の総復習を行う
1月 必修、画像、検査値、医療安全、感染対策、解き直しノートを最終確認する

既卒生向け|第120回歯科医師国家試験対策

既卒生に必要なのは、全範囲を最初からやり直すことではなく、前回なぜ合格点に届かなかったのかを分析することです。

第119回は、既卒生にとって特に厳しい回でした。第119回の全体合格率は61.9%、新卒合格率は80.2%であり、新卒と既卒の差が大きく開いた回でした。
関連記事:第119回歯科医師国家試験 合格率61.9%|既卒27.8%・第118回から急低下を分析

既卒生が最初に行うべき自己分析

分析項目 確認すべきこと
必修 足切りリスクがあったか、基本事項で落としていないか
総論 医療制度、検査、材料、全身管理に穴がないか
各論 保存、歯周、補綴、外科、小児、矯正のどこで落としたか
臨床実地 画像、検査値、治療方針、鑑別診断で迷っていないか
復習方法 間違えた問題を「覚え直すだけ」で終わっていないか

既卒生向け|月別年間学習イメージ

学習方針
5月 前回結果、模試、過去問から失点原因を分析し、必修の医療安全・感染対策・倫理・制度を再構築する
6月 保存、歯周、補綴、口腔外科を問題ベースで復習する
7月 苦手科目を重点補強し、解けない理由を「知識不足・読解ミス・鑑別不足・推論不足」に分類する
8月 臨床実地問題、画像問題、検査値問題を集中演習する
9月 模試で合格点との差を確認し、弱点科目を再設定する
10月 各論の頻出疾患、補綴設計、外科疾患、全身管理を強化する
11月 必修、法律・制度、公衆衛生、情報倫理、データ保護を総復習する
12月 模試・過去問の間違い直しを中心に、得点の安定化を図る
1月 必修、画像、検査値、禁忌、医療安全、感染対策、解き直しノートを最終確認する

CES歯科医師国試コースのご案内

第120回歯科医師国家試験では、知識の暗記だけでなく、症例文・画像・検査値・患者背景をもとに判断する力がより重要になります。CES歯科医師国試予備校では、現役生・既卒生それぞれの状況に合わせて、完全マンツーマンで学習計画を作成し、合格に向けて伴走します。

  • 歯科医師×プロ講師による専門指導
  • 年間個別カリキュラム作成
  • 現役生・既卒生それぞれに合わせた国試対策
  • オンライン全国対応・対面指導にも対応

CES式・第120回対策の優先順位

優先度A:必ず得点源にしたい分野

必修の医療安全、感染対策、初期救急、診療録・個人情報保護、う蝕、歯髄疾患、根尖性歯周疾患、歯周病、補綴の基本、口腔外科の頻出疾患、小児・矯正の基本、高齢者・有病者対応。

優先度B:第119回以降で差がつきやすい分野

情報倫理・データ保護、病院歯科の役割、周術期口腔機能管理、摂食嚥下、全身管理、検査値の判断、薬剤と歯科治療の関係、画像診断、症候群・遺伝疾患、医科歯科連携。

優先度C:直前期に整理したい分野

法律名・制度名、統計・疫学用語、歯科材料の分類、まぎらわしい症候群、口腔粘膜疾患の鑑別、画像所見の特徴、禁忌・注意すべき対応。

FAQ

Q. 第120回歯科医師国家試験から何が変わりますか?

第120回から令和9年版歯科医師国家試験出題基準が採用される予定です。大枠の出題割合は、必修約22%、歯科医学総論約28%、歯科医学各論約50%で、従来の骨格は維持されています。一方で、情報倫理・データ保護、病院歯科等の役割が明確に強化されています。

Q. 第119回国試は本当に新ブループリントを先取りしていたのですか?

正式には、第119回は令和9年版出題基準の適用前です。ただし、臨床判断、摂食嚥下、高齢者・有病者対応、基礎と臨床の融合、初期救急などの出題を見ると、新ブループリントが示す方向性と重なる部分が多く、内容面では先取りされていたと評価できます。詳しくはCES歯科医師予備校の新ブループリント解説記事をご覧ください。

Q. 「推論問題が増えた」とはどういう意味ですか?

単にひねった問題が増えたという意味ではありません。知識をそのまま答える「記憶」レベルの問題だけでなく、症例文、画像、検査値、患者背景をもとに判断する「応用・分析・評価」レベルの問題が増えたという意味です。

Q. 第120回の日程や試験地は発表されていますか?

現時点では、第120回歯科医師国家試験の正式な日程・試験地は、厚生労働省の最新発表を確認する必要があります。例年の流れでは、試験実施前年の夏頃に「歯科医師国家試験の施行について」として、試験日、試験地、受験手続、合格発表日などが公表されます。

Q. 現役生は何から始めるべきですか?

現役生は、まず大学の講義内容を国試過去問に接続することです。特に、必修、保存、歯周、補綴、口腔外科、小児、矯正、高齢者・有病者歯科を早めに固めましょう。

Q. 既卒生は何から始めるべきですか?

既卒生は、前回の失点原因を分析することから始めるべきです。必修で落としたのか、各論の知識不足なのか、臨床実地問題の読み取りで失点したのか、推論の過程で誤ったのかを分けて考え、問題ベースで修正していく必要があります。

第120回合格に向けた個別相談はこちら

第120回歯科医師国家試験は、令和9年版ブループリントの正式適用回です。しかし、第119回の時点で、すでにその方向性は始まっていました。現役生は大学の学習と国試対策を早めにつなげること、既卒生は前回の失点原因を分析し、暗記中心の学習から臨床判断型の学習へ切り替えることが重要です。

CES歯科医師国試予備校では、現役生・既卒生それぞれの状況に合わせて、出題基準、119回の傾向、過去問、模試結果をもとに個別カリキュラムを作成します。

電話相談:0120-406-707|営業時間:月〜土 8:30〜22:00、日曜・祝日 10:00〜18:00

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参考・出典

執筆者紹介

岩崎 陽一(いわさき よういち)

株式会社アクト代表。大手学習塾、国家試験予備校、医学部受験予備校での指導経験を経て、2011年に株式会社アクトを創業。現在は、CES歯科医師国家試験予備校をはじめ、医師国家試験、薬剤師国家試験など、医療系国家試験対策および進級指導に携わっている。

医療系学部受験、進級・卒業試験、国家試験対策において、マンツーマン指導と学習管理を重視した教育サービスを展開している。