歯学部6年間の集大成!最後の難関「歯科医師国家試験」について

歯学部6年間の集大成!最後の難関「歯科医師国家試験」について

歯科医師になるためには、歯学部卒業後に歯科医師国家試験をクリアすることが求められます。国試については5・6年次からではなく、歯学部入学が決まった段階で1つの目標として意識しておきたいところです。そこで、歯科医師国試の概要や合格率などをチェックし、必要な対策を確認していきましょう。

 

 

歯科医師国家試験の概要

歯科医師国家試験は、毎年1回冬に実施されています。2020年度の例を見てみると、2021年1月30日・31日に第114回歯科医師国家試験が実施されます。歯科医師としての活動に必要な歯学や口腔衛生などに就いて幅広く問われる試験です。合格者の発表は2021年3月16日となっています。

受験地は北海道から福岡県までの8都道府県に設定されています。自宅や歯学部などに近い会場を選べば、それほど大きな移動負担にならずに済む人が多いでしょう。受験手数料は18,900円であり、大学入試の検定料などと大差ない水準です。

受験には、予備試験への合格などといった道もありますが、基本的には歯学部の卒業が欠かせません。そのため、歯科医師を目指す場合は、国試を受ける前にまず、歯学部の卒業試験を突破できるようにしてください。

 

歯科医師国家試験の施行について┃厚生労働省

 

歯科医師国家試験の合格率

歯科医師国家試験の合格率

歯科医師国家試験の合格率は、2020年実施の第113回において新卒者が79.3%となりました。およそ8割の合格率は高水準とも言えますが、歯学部を卒業しても2割は国試合格を果たせないとも言えます。歯科医師になるためには、卒業試験に加えて国試対策を丁寧に行っておくことも大切です。

合格率は私立歯学部と国公立歯学部でやや差があります。いずれも既卒者を含めて私立は6割強なのに対して、国公立は約8割です。国公立歯学部の方が歯科医師国試合格率は高い傾向が窺えます。卒業試験の難易度が歯学部によって異なるため、単純な比較はできませんが、国公立・私立の合格率を1つの目安として知っておきましょう。

9割を大きく超える高い合格率を出した歯学部もいくつかあります。東京医科歯科大学歯学部のほか、岩手医科大学歯学部などでは9割台後半の高い合格率となりました。国試合格率が高い大学では、学生に対して国試に役立つ授業を実施したり、学習モチベーションを上げる工夫が多くなされたりしていると考えられます。

 

歯科医師国家試験対策のポイント

歯科医師国家試験に合格するためには、まず4年次頃に受けるCBTを十分な成績でクリアしたいところです。そのうえで、6年次での卒業試験を乗り越え、国試を受けるときには十分な実力をつけておくようにしましょう。

そのため、直接的な国試対策に入る前に、CBTに向けて丁寧な学習をすることが大切です。CBTの学習では、苦手分野を作らず、あらゆる分野において基本的な知識を整理しておくことを心がけてください。

歯科医師国試対策においては、出題範囲が広いため、どこから手を付けてよいかわからない場合もあるでしょう。そこで、過去問や模試などを活用して、早期に弱点をあぶり出すようにしてください。合格に必要なレベルと自分の実力を比較し、どの分野をどこまで伸ばしたいのかを考えてみてください。

歯学部で学ぶ中で、国試だけでなく、CBT対策や大学の期末試験対策などに不安を感じることもあるでしょう。気になる点がある場合は、学習の遅れが深刻になる前に、歯科医師国試専門予備校などに相談してみてください。専門的な試験内容についてのアドバイスだけでなく、日々の学習の状況などについてもマンツーマンで指導してくれるところもあります。

 

 

まとめ

・歯科医師国試は年1回ですでに100回以上の実績
・歯科医師国試合格率は新卒で80%程度
・分野ごとの学習計画を立てて国試突破を目指そう