【国試問題解説】第118回歯科医師国家試験〜118B85
問題
No,118B85
抜歯後の鎮痛に用いられるのはどれか。3つ選べ。
解説
選択肢 | 解説 |
---|---|
a 立効散 | 歯科保険収載されている代表的な漢方薬であり、歯痛・抜歯後疼痛が代表的な適応とされている。よってaは〇 |
b プレガバリン | 神経障害性疼痛に用いられる薬剤である。抜歯後疼痛は神経障害性疼痛ではなく組織傷害による疼痛である。よってbは× |
c デキサメタゾン | ステロイド製剤である。ステロイド製剤は鎮痛以外にも免疫抑制など多様な作用をもち、副作用が起こりやすいため、強い鎮痛を必要としない抜歯後鎮痛では基本的に用いられない。よってcは× |
d アセトアミノフェン | 中枢に作用して痛覚を緩和する副作用の少ない肝代謝の解熱鎮痛薬である。メトヘモグロビン血症を引きおこす可能性がある点には要注意である。腎機能不全や胃潰瘍等、NSAIDsの使用しにくい状況で多く用いられる。よってdは〇 |
e ロキソプロフェンナトリウム水和物 | 代表的なNSAIDsの一つであり、COX2阻害によりPGE2産生を阻害して消炎解熱鎮痛をはかる腎代謝の薬剤である。COX阻害により胃粘膜の粘液分泌等も阻害され、胃潰瘍を起こしやすくなるため長期連用には不適である。また、ニューキノロン系抗菌薬との併用による痙攣、血小板阻害作用、小児における脳症誘発などにも注意が必要である。抜歯後鎮痛では最もよく用いられている。よってeは〇 |
著者プロフィール
CES歯科医師国試予備校 C先生
東京医科歯科大学首席卒業。CES歯科医師国家試験予備校講師。進級対策、国試対策ともにすべての範囲を担当しています。一見難しく感じる問題もわかりやすく解説します。