歯学部CBT対策:合格を勝ち取る実践的勉強法とロードマップ
はじめに:CBTは”通過点”ではなく”基盤”
歯学部4~5年次で実施されるCBT(Computer Based Testing)は、歯科医師国家試験や臨床実習の基礎を築く、極めて重要なステップです。
しかし、「範囲が広く、何から始めていいかわからない」「模試を受けても点数が伸びない」と悩む学生は少なくありません。
この記事では、基礎固めから模擬演習・合格までのロードマップを体系的に整理し、効率的かつ確実に結果を出すための歯学部CBT対策の勉強法を解説します。
── 歯学部生が知っておくべき「結果を出す」ための効率的学習戦略とは?
CBTとは何か?――出題構成と目的を理解する
CBTの概要と出題領域
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 実施時期 | 歯学部4~5年次(大学ごとに異なる時期に実施) |
| 形式 | コンピュータ上で行う多肢選択式試験 前の問題に戻れない連問もあり 過去の問題を蓄積したプールから、受験生ごとにランダムに出題され、新作問題は採点されない。 なお、過去問は公開されない。 |
| 問題数 | 約320問(科目別・臨床統合型を含む) |
| 合格基準 | 一定の正答率(73.4%程度)を満たすこと(絶対評価) |
- 基礎歯学(解剖学、生理学、生化学など)
- 臨床歯学(保存学、補綴学、外科、小児など)
- 医療安全・倫理
- 総合問題(複数分野を統合したケーススタディ形式)
CBTは単なる知識テストではなく、「臨床的思考力」「統合的判断力」を問う問題が中心です。つまり、国家試験の”予行演習”と捉えるべきです。
CBT対策の全体像:3段階のロードマップ
歯学部CBT対策の学習は「暗記」から「思考」へと段階的に進めるのが効果的です。
【Stage 1】基礎理解期(試験の6〜4か月前)
教科書レベルの内容を正確に理解する時期です。
📌 ポイントは「分野ごとの因果関係をつなげる」こと。
- 1日1〜2科目に絞り、範囲を狭く深く復習する。インプットだけでは記憶効率が悪いため、当該分野の問題演習と組み合わせても可。
- ノートではなく“まとめカード”で知識を可視化する。
- CBT用問題集の「初回正答率」を記録し、弱点を抽出する。
- 『DEKIRU CBT』シリーズ
- 『歯学部CBT対策ハンドブック』
【Stage 2】演習・アウトプット期(試験の3〜1か月前)
知識の”理解”を“使える形”に変換する段階です。この時期は模擬演習による定着が最重要課題となります。
- 歯学部CBT模試を週1回ペースで受け、出題形式に慣れる。過去模試がフリマサイトで販売されているため活用可能。
- 誤答した問題は「なぜ間違えたか」を理由付きで復習する。
- 科目横断型の統合問題(臨床判断系)を重点的に解く。
| チェック項目 | 解説 |
|---|---|
| 時間配分は守れているか | 制限時間が厳しいため、時間管理を意識する。 |
| 迷った選択肢の根拠を説明できるか | 思考過程を意識する。 |
| 正答率よりも理解率を重視しているか | 暗記偏重ではなく、応用力を養う。 |
【Stage 3】総仕上げ・模試対策期(試験の直前1か月)
直前期は、新しい問題を解くよりも復習の精度を高める時期です。
- 苦手分野の「知識連鎖」を再確認(例:歯髄炎 → 神経伝導 → 疼痛反応)。
- 模試の結果を分析し、”誤答原因”をタイプ別に整理する(知識不足型、読み違い型、判断ミス型)。
| 曜日 | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 月 | 模試1回分を解く | 実戦感覚の維持 |
| 火 | 模試復習・ノート整理 | 弱点補強と理解の定着 |
| 水 | CBT過去問・統合問題 | 臨床思考力の確認 |
| 木 | 苦手科目重点復習 | 点数の底上げ |
| 金 | ランダム問題演習 | 総合力チェック |
| 土 | 模擬試験(通し) | 本番リハーサル |
| 日 | 休養・軽い復習 | コンディション調整 |
模擬演習の効果を最大化する方法
CBT対策で最も効果的なのは、「模擬演習 → 復習 → 分析 → 再演習」のサイクルを確立することです。
- 解いた直後に「正答・誤答」を分類する。
- 解説を読む前に“自分の考え”を一度書き出す。
- 「なぜその選択肢を選んだか(選ばなかったか)」を再確認する。
- 理解が曖昧な分野をまとめノートに追加する。
このサイクルを毎週繰り返すことで、知識の定着と応用力の両立が可能になります。
合格者が実践したCBT学習法
全国の合格者アンケートから見えてきたのは、「長時間勉強するよりも、毎日の質を高めることが重要」という共通点です。
- 1日3時間でも集中して演習・復習を回す。
- 苦手科目を後回しにしない。
- 模試後24時間以内に必ず復習を行う。
- CBT本番と同じ形式(パソコン・時間配分)で演習する。
CBT後を見据えた”次の一歩”
CBTの本質は「国家試験準備の基礎」です。CBTで身につけた“統合的思考”を維持し続けることで、国家試験対策をスムーズに進めることができます。
- 模試や演習ノートを整理し、苦手科目の基礎を補強する。
- CBT対策で作成したやり直しノートは国試対策時の穴潰しに有効です。
- 臨床実習で出会う症例とCBT知識を結びつける。
- 早期に国家試験の出題形式を確認しておく。
まとめ:CBT対策は「正しい順序」と「実践力」で決まる
CBTは単なる筆記試験ではなく、歯科医師としての思考を育てる学習プロセスです。
- 知識の暗記に終始せず、「なぜそうなるのか」を意識する。
- 模擬演習で実戦感覚を身につける。
- 復習と分析を繰り返し、確かな理解を積み上げる。
この3点を意識できれば、CBTだけでなく、国家試験・臨床実習でも揺るがない実力が身につきます。
CES歯科医師国試予備校 C先生
東京医科歯科大学首席卒業。CES歯科医師国家試験予備校講師。進級対策、国試対策ともにすべての範囲を担当しています。一見難しく感じる問題もわかりやすく解説します。




