歯学部6年生の勉強法|卒業試験と歯科医師国家試験を両立する

結論

歯学部6年生は、卒業試験と歯科医師国家試験の範囲・条件・日程を分けて確認し、共通する弱点を同じ復習計画で補いましょう。大学の卒業要件を満たす準備と、受験する回の公式情報に基づく国試対策を、残り期間から逆算して進めます。

この記事の要点

  • 卒業試験は大学の案内、国家試験は厚生労働省の施行案内と令和9年版出題基準で、条件を別々に確認する。
  • 第120回は2027年1月30日・31日に実施。出願期間は2026年11月2日〜30日、合格発表は2027年3月16日。
  • 模試や演習は、合計点ではなく分野・形式・誤答原因で読み、共通する弱点は一つの記録で管理する。
  • 直前期は新規演習・解説確認・解き直しを別々に見積もり、睡眠や移動も含めて計画する。

本記事は、歯科医師の養成を目的とする6年制の歯学課程に在籍する方(入学予定者を含む)向けの学習ガイドです。履修時期、試験、進級・卒業要件は大学と入学年度で異なるため、所属大学の最新案内を優先してください。学習手順・比較表・週間計画は本記事の提案であり、全国共通の必須手順ではありません。

6年生の学習で優先したいこと

図表1 歯学部6年間の学習の流れ(一般的な目安)
入学前
高校の生物・化学・英語の基礎を補う
1年
教養科目と基礎の学習習慣づくり
2年
解剖・生理・生化学などの基礎歯科医学
3年
病理・薬理・歯科材料など専門科目
4年
臨床実習前の共用試験(CBT・OSCE)
5年
診療参加型臨床実習と振り返り
6年
卒業試験と歯科医師国家試験
▲この記事

科目の配置、共用試験の受験時期、臨床実習の開始時期は大学と入学年度で異なります。所属大学の履修要項・シラバスで確認してください。

卒業試験と国家試験の条件をそれぞれ確認する

卒業試験の実施方法、範囲、再試験、卒業判定に関わる条件は大学の案内で確認します。国家試験については受験する回の厚生労働省の案内と適用される出題基準を参照してください。一方の問題が解けることだけで、もう一方の準備が済んだと判断しないことが大切です。

第120回歯科医師国家試験は、2027年1月30日(土)・31日(日)に実施され、出願期間は2026年11月2日〜30日、合格発表は2027年3月16日の予定です。第120回からは令和9年版の出題基準が適用されます。また、国内の歯科大学・歯学部の卒業者は、共用試験の合格が受験資格に加わります。出願書類や手続きは、厚生労働省の施行案内と大学の指示に従って早めに準備してください。

図表2 第120回歯科医師国家試験の主な日程
項目 日程 確認しておくこと
出願期間 2026年11月2日(月)〜30日(月) 必要書類、提出方法、大学を通じた手続きの有無
試験日 2027年1月30日(土)・31日(日) 受験地、集合時刻、持参物
合格発表 2027年3月16日(火) 発表方法、免許申請の手続き
出題基準 令和9年版を適用 改定内容と、自分の教材が対応しているか

出典:厚生労働省「歯科医師国家試験の施行について」、令和9年版歯科医師国家試験出題基準。詳細は必ず最新の公式情報で確認してください。

成績は合計点だけでなく、分野と誤り方で読む

模試や演習の成績は、分野別、問題形式別、誤答原因別に整理します。知らなかった、似た知識と混同した、条件を読み落とした、時間配分で解けなかった、という原因を分けてください。根拠があいまいな正答も、確認が必要な問題として残します。

直近の国家試験の結果は、第119回歯科医師国家試験の結果や歯科医師国家試験の合格率推移でも整理しています。

図表3 第119回歯科医師国家試験(2026年1・2月実施)の合格基準と合格率
区分 内容
領域A(総論) 67点以上/99点
領域B(各論) 235点以上/352点
必修問題 62点以上/77点(必修問題の一部が採点除外となった受験者は総点数の80%以上)
配点 一般問題(必修問題を含む)1問1点、臨床実地問題1問3点
合格率(全体) 61.9%(受験者2,837人・合格者1,757人)
合格率(新卒) 80.2%(受験者1,849人・合格者1,482人)
合格率(既卒) 約27.8%(受験者988人・合格者275人。全体から新卒を差し引いて算出)

出典:厚生労働省「第119回歯科医師国家試験の合格発表について」。合格基準は回ごとに定められるため、第120回の基準を示すものではありません。

卒試と国試で共通する弱点は一つの記録で管理する

同じテーマで誤る問題は、卒試用と国試用のノートへ重複して書くより、一つの記録にまとめます。テーマ、間違えた理由、確認する資料、次の解き直し日を残してください。ただし大学固有の範囲や形式に関するメモは、国試の共通事項と区別しておきます。

例えば臨床実地形式の問題で検査情報を読み落とすなら、設問の要求、提示所見、判断の根拠を順に書く練習をします。正答を覚えるだけでなく、他の選択肢を選ばない理由も説明してください。知識の穴なら該当箇所へ戻り、読解の誤りなら確認手順を修正します。

卒業試験と国家試験の共通範囲を一本の計画にまとめたい場合は、国家試験対策コースや第120回歯科医師国家試験の対策ガイドもご覧ください。

直前期は復習量と生活を含めて計画を調整する

一週間の計画では、新規演習、解説確認、解き直しを別々に見積もります。問題を解く時間だけを計上すると、復習が翌週へ積み残りがちです。予定どおり進まなかった場合は、翌日へすべて上乗せせず、優先度の低い課題を減らして再設計しましょう。

睡眠、食事、通学や移動も実行条件です。試験直前に学習量を急増させるより、確認した弱点を再現できる状態へ整えます。不安で勉強が止まる場合は、学習面と気持ちの負担を分けて相談してください。直前であっても、具体的な誤答資料が対策の手がかりになります。

つまずきに合わせた対策の比較

今の困りごとに近い行を選び、「確認する点」から試してください。複数に当てはまる場合は、提出期限や試験日が近いものから取り組みます。

図表4 困りごと別の確認ポイントと次の行動
困りごと 確認する点 次の行動
卒試と国試の勉強が重複する 共通テーマと大学固有範囲 弱点記録を一本化する
模試の点数だけで焦る 分野と誤答原因 今週直す課題を選ぶ
復習が毎週積み残る 解説・解き直しの所要時間 新規演習量を調整する

一週間の学習計画例

図表5 一週間の学習計画例(計画例であり標準プランではありません)
時期 取り組み できたかの確認
週初め 直近の卒試・模試と分野別成績を確認する。 卒試・模試の分野別成績を一覧にした
平日前半 共通する基礎の穴と大学指定範囲を復習する。 共通する基礎の穴と大学指定範囲を区別して復習した
平日後半 時間を意識した演習と誤答の解き直しを行う。 時間を計った演習の誤答を解き直した
週末 改善と積み残しを確認し、翌週の量を組み直す。 積み残しを確認し、翌週の量を組み直した

授業・実習・体調に合わせて量を調整し、説明できた内容と解き直せた問題から翌週の課題を決めましょう。

架空の学習相談例

説明用の架空例

学生:卒試も国試も不安で、毎日別の教材に取り組んでいます。

講師:両方で同じ理由で間違えている問題はありますか。

学生:検査所見を読み落とす誤りが共通しています。

講師:では弱点記録をまとめ、設問と所見を確認する手順を共通化しましょう。

実在する受講者・講師の会話や体験談ではなく、成績や合格を保証するものでもありません。

まとめ|今の課題から次の一歩を決める

6年生の対策は、卒業条件と国試の公式情報を押さえたうえで、共通する弱点を効率よく補うことです。総点の上下だけに振り回されず、誤りの原因と改善を確認しましょう。限られた時間をどの課題へ使うかが、計画を立て直す出発点です。

6年生の学習でよくある質問

Q1.卒業試験と国試はどちらを優先しますか?

大学の卒業条件と直近の日程を踏まえて配分します。大学固有の範囲に対応しつつ、共通する弱点の復習を続ける計画が必要です。

Q2.何年分の過去問を解けば合格できますか?

年数だけでは判断できません。適用される出題基準と理解度を確認し、根拠を説明できない問題を減らしていきましょう。

Q3.模試の判定が低いと合格は難しいですか?

判定だけで最終結果は決まりません。分野別の不足と残り期間を整理し、修正可能な課題へ具体化してください。

Q4.卒試が終わってから国試対策を始めてもよいですか?

初めて全範囲を学ぶ状態は避けたいところです。卒試準備と重なる基礎や臨床の論点を、早めに国試学習へ接続しましょう。

Q5.直前期に問題集を買い足すべきですか?

まず手元の教材の未理解と解き直しを確認します。目的が明確で、復習まで実行できる量かを考えて判断してください。

理解度確認テスト10問

記事の要点を確認するセルフチェックです。大学の試験問題や、公式の評価・合格判定ではありません。答えを考えてから、解答と解説を開いて確認してください。

  1. 卒業条件は何で確認する?
    解答・解説を開く

    解答:所属大学の正式案内。

    解説:大学固有の要件を押さえます。

  2. 国試情報はどの回のものを見る?
    解答・解説を開く

    解答:自分が受験する回。

    解説:年度による変更を見落とさないためです。

  3. 模試の合計点以外に見るものは?
    解答・解説を開く

    解答:分野、形式、誤答原因。

    解説:具体的な対策を選ぶ材料になります。

  4. 不確かな正答はどう扱う?
    解答・解説を開く

    解答:復習対象として残す。

    解説:再現できる理解かを確かめます。

  5. 共通する弱点の記録項目は?
    解答・解説を開く

    解答:テーマ、理由、資料、再確認日。

    解説:重複作業を減らし改善を追えます。

  6. 大学固有範囲と国試事項は同じ?
    解答・解説を開く

    解答:区別して管理する。

    解説:求められる条件や形式が異なるためです。

  7. 所見の読み落としには何を直す?
    解答・解説を開く

    解答:設問と条件を確認する手順。

    解説:知識の追加だけでは解消しない誤りです。

  8. 計画には演習以外の何を入れる?
    解答・解説を開く

    解答:解説確認と解き直し。

    解説:復習時間を確保するためです。

  9. 遅れた課題を全て翌日に加える?
    解答・解説を開く

    解答:優先順位と量を組み直す。

    解説:実行困難な計画の連鎖を防ぎます。

  10. 直前の相談で示したい資料は?
    解答・解説を開く

    解答:具体的な成績と誤答。

    解説:残る課題と改善方法を整理できます。

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執筆・編集:CES歯科医師国試予備校 講師チーム

監修:岩崎 陽一(株式会社アクト 代表取締役)。医療系国家試験・医歯薬系大学の学習指導に30年以上携わり、学年ごとのつまずきに合わせた個別指導を統括。

最終更新日:2026年10月30日