歯学部の勉強がつらい人へ|学習・生活バランスとストレス対策で6年間を乗り切る
なぜ歯学部ではストレスが多いのか── 歯学部生活は「長期戦」である
学習量と試験数の多さ
1年次から専門科目が多く、週ごとに小テストやレポートが課される学校もあります。「常に試験勉強をしている感覚」が続き、慢性的なプレッシャーにつながります。
歯に関することのみならず、全身疾患に対応するための知識や材料理工学も学ぶこととなるため、科目数自体は医学部や獣医学部よりも多いそうです。
実習・評価・人間関係の負荷
高学年になると、実技試験(OSCEや臨床実習評価)が加わり、精神的ストレスが増します。さらに、同級生との比較意識やチーム実習での人間関係のストレスも少なくありません。
自己管理の難しさ
大学生活の自由度が高い一方で、自己管理力が問われます。生活リズムが乱れることで集中力が低下し、悪循環に陥るケースもあります。
“勉強時間”より”集中時間”を重視する── 効率的な学習で負担を軽減
時間をかけるより「質」を高める
長時間勉強しても、集中できていなければ効果は薄れます。Pomodoro法(25分集中+5分休憩)や90分ブロック法などを活用し、集中を「設計」しましょう。
学習内容を「使える形」に整理する
暗記に偏るとストレスが蓄積します。「なぜそうなるのか」を自分の言葉で説明できるようにし、理解型の学習を進めることで学びが楽になります。
学習習慣の”固定化”が鍵
「いつ・どこで・どの順に勉強するか」を決めておくと、迷う時間が減り、心理的負担が軽減します。朝の固定ルーティンを作るのがおすすめです。
生活リズムを整える3つの習慣── 学習効率を上げる土台づくり
「睡眠」を最優先にする
睡眠不足は集中力、記憶力、免疫力を低下させます。試験前でも、最低6時間は確保することを目標にしましょう。
軽い運動を取り入れる
歯学部生は座りっぱなしになりがちです。1日15分の散歩、ストレッチ、週1回の軽い運動でも、気分がリセットされ学習効率が向上します。運動によって血流も増えるので、個人差はありますが運動後の方が集中しやすくなるという噂もあります。
スマートフォンとの距離を取る
SNSや動画視聴の時間は、意識しないうちに「脳の休息時間」を奪います。学習中だけでなく、就寝前の1時間は“デジタルデトックス”を意識しましょう。
メンタル維持のためのセルフケアと相談先── 一人で抱え込まない
自己肯定感を守る
「他人と比べない」「完璧を目指しすぎない」ことが大切です。小さな成功(昨日より早く起きた、1科目復習できたなど)を自分で評価する習慣を持ち、自己肯定感を育てましょう。
医学部に比べ歯学部は教師陣から過度な期待を受けていないことが多いので、講義も可能な限り分かりやすく作ってもらえ、質問対応も積極的で、色んな試験も甘めになりがちです。国立なら国試に受かってほしい気持ちが大きいので尚更です。頑張る気力さえあれば助けてくれる人はたくさんいるので、気を大きく持ちましょう。
話せる相手をつくる
悩みを抱え込むと、思考が狭まりストレスが増します。友人、家族、チューター、教員など、安心して話せる人を一人でも確保しておきましょう。
大学の相談機関・外部サポートを活用する
多くの大学には学生相談室やカウンセリングサービスがあります。「眠れない」「意欲が出ない」と感じた時は、早めに専門家に相談するのが重要です。
長期的に学び続けるためのマインドセット── 6年間を走り抜くために
「歯科医師になる意味」を定期的に思い出す
学習が辛くなったときほど、「なぜ歯科医師を目指したのか」を再確認してください。初心を取り戻すことで、モチベーションを回復できます。
完璧ではなく”継続できる形”を目指す
毎日100点を取る必要はありません。「続けられる」ことこそ、国家試験合格や臨床力向上の最大の武器です。
まとめ:バランスは”つくるもの”ではなく”整えるもの”
歯学部生活は過酷に見えても、「学び・休養・人間関係」を整えることで大きく変わります。すべてを完璧に両立するのではなく、少しずつ整えていくことが、最終的には国家試験合格や臨床現場での自信につながります。
この記事のポイント
- 歯学部は科目数が多く、試験・実習のプレッシャーが大きい
- 勉強は「時間」より「集中の質」を重視し、習慣化で心理的負担を軽減
- 睡眠・運動・デジタルデトックスで生活リズムを整える
- 自己肯定感を守り、相談できる相手や専門機関を活用する
- 完璧を目指さず「続けられる形」で6年間を乗り切る
CES歯科医師国試予備校 C先生
東京医科歯科大学首席卒業。CES歯科医師国家試験予備校講師。進級対策、国試対策ともにすべての範囲を担当しています。一見難しく感じる問題もわかりやすく解説します。

