歯学部 定員割れで入りやすいは本当?志願者数の推移と知っておくべき注意点

歯学部定員割れはチャンス?

「歯学部は定員割れしている大学がある」という話を聞いたことはありませんか。確かに、一部の私立歯学部では入学定員を満たせない状況が続いていました。しかし近年、「歯科医師不足」の懸念が浮上し、歯学部を取り巻く状況は変わりつつあります。

受験生にとって、定員割れは「入りやすいチャンス」にも見えます。しかし、安易にそう判断してよいのでしょうか。この記事では、歯学部の定員割れの背景と最新の志願動向を解説し、この状況をどう活かすべきかについてお伝えします。

歯学部の定員割れの現状

国公立と私立で大きく異なる状況

歯学部の定員充足状況は、国公立大学と私立大学で大きく異なります。

国公立大学の歯学部(全国12校)は、概ね入学定員を充足しており、学費が安く国家試験の合格率も高いことから、受験生からの人気は安定しています。

一方、私立大学の歯学部(全国17校)では、近年、大学によって入学定員の充足状況にばらつきが見られ、定員割れが生じている大学も少なくありません。特に地方に位置する大学や、国家試験の合格率が低い大学では、志願者数の減少が顕著です。

なぜ定員割れが起きているのか

私立歯学部の定員割れにはいくつかの要因があります。

定員割れの主な要因
  • 「歯科医師は稼げない」というイメージの広がり:「歯科医院がコンビニより多い」という言葉に象徴されるように、歯科医師の過剰感が長年にわたって報道されてきました。これが受験生や保護者の歯学部離れを招いた大きな要因です。
  • 学費の高さ:私立歯学部の6年間の学費は1,500万〜3,200万円程度であり、経済的な負担が大きいことが敬遠される理由の一つになっています。
  • 国家試験の合格率低下:合格率が60%台にまで低下したことで、「6年間通っても歯科医師になれないかもしれない」という不安が広がりました。

最新の志願動向|志願者数は増加傾向に

しかし、近年は風向きが変わりつつあります。歯学部受験専門予備校メルリックス学院が各大学の入試結果データを集計したところによると、2024年度の私立歯学部一般選抜の総志願者数は6,982人で、前年度の6,364人から約9.2%増加しました(出典:メルリックス学院「2024年度 私立歯学部志願者数一覧」)。入試改革を進めた大学を中心に、志願者が大幅に増えたケースもあります。

これは予備校による集計値であり、文部科学省の公式統計とは集計方法が異なる場合がある点にご留意ください。

また、2024年の厚生労働省統計では、歯科医師数が前回調査(2022年)から減少していることが示され、「歯科医師不足」の可能性が議論されるようになりました。この流れを受けて、歯学部の将来性を再評価する動きが出てきています。

定員割れは本当に「入りやすい」と言えるのか?

歯科医療器具

入りやすいことは事実

定員割れの大学があるということは、受験のハードルが相対的に低いことを意味します。特に私立歯学部の中には、受験倍率が2倍を下回る大学もあり、「歯科医師になりたい」という強い意志を持つ受験生にとっては、入学のチャンスが広がっていると言えます。

実際、大学にこだわらなければ、歯学部に入学すること自体は以前よりも容易になっている面があります。

ただし注意すべき点がある

入りやすいからといって、安易に大学を選ぶのは危険です。注意すべきポイントがいくつかあります。

大学選びで注意すべきポイント
  • 国家試験の合格率:定員割れを起こしている大学の中には、国家試験の合格率が低い大学も含まれています。入学できたとしても、6年後に歯科医師になれなければ意味がありません。大学選びの際には、ストレート卒業率と国家試験の合格率を必ず確認しましょう。
  • 大学の教育環境:長期にわたる定員割れは、大学の経営状況に影響を与えます。経営が厳しい大学では、教育設備の更新や教員の確保が十分に行われない可能性もあります。
  • 卒業後のサポート体制:同窓会のネットワークや臨床研修先の紹介など、卒業後のキャリア支援は大学によって大きく異なります。目先の入りやすさだけでなく、6年後、10年後を見据えた大学選びが重要です。

この状況をどう活かすべきか

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入試動向を味方につける

定員割れの大学が存在する今の状況は、歯科医師を本気で目指す受験生にとっては追い風です。ただし、だからといって「勉強しなくても受かる」わけではありません。

入学後のカリキュラムは厳しく、低学年からしっかりとした学力が求められます。入試でギリギリ合格した場合、入学後に苦しむ可能性が高くなります。入学前からしっかりと基礎学力をつけておくことが、充実した歯学部生活の土台になります。

CES歯科医師国試予備校では、歯学部入学後の進級や国家試験を見据えた対策コースを用意しています。「入学がゴールではなく、歯科医師になることがゴール」という視点で、早い段階から学習の土台を築くことが大切です。

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国家試験合格率で大学を選ぶ

歯学部選びで最も重視すべき指標の一つが、国家試験の合格率、とりわけストレート合格率」(入学者のうち、6年間で卒業し国試に一発合格した人の割合)です。

この数値が高い大学は、教育体制が充実しており、入学した学生を確実に歯科医師に育て上げる力があると判断できます。定員割れしていない人気校にも、入試方式を工夫すれば合格のチャンスはあります。

どの大学を選んだとしても、最終的に歯科医師になるためには国家試験の突破が不可欠です。大学の授業だけでは不安が残る場合、CES歯科医師国試予備校のような国試対策に特化した対策コースを活用することで、合格への道をより確かなものにできます。

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長期的な視点で将来性を評価する

歯科医師の数が減少に転じたことで、今後は「歯科医師が足りない」時代が来る可能性があります。高齢者の口腔ケアや訪問歯科診療の需要は今後も拡大が見込まれており、歯科医師の社会的役割はますます重要になります。

つまり、今歯学部に入学する世代が歯科医師として活躍する10年後、20年後には、歯科医師の価値がさらに高まっている可能性があるのです。短期的な「入りやすさ」ではなく、長期的な「将来性」の視点で歯学部進学を検討することをおすすめします。

まとめ|定員割れで入りやすいは本当?知っておくべき注意点

✨ この記事のポイント

歯学部の定員割れは事実ですが、それは歯科医師という職業の価値が下がったことを意味するものではありません。むしろ、歯科医師不足が懸念される今だからこそ、歯学部進学は将来を見据えた賢い選択になり得ます。

大切なのは、定員割れを「楽に入れるチャンス」と捉えるのではなく、「しっかり準備して入学し、確実に歯科医師になるための第一歩」と捉えることです。入試対策を万全にして、自分に合った大学を選びましょう。

歯学部への 受験・進学から国家試験合格まで、長期的な視点でサポートを受けたい方は、CES歯科医師国試予備校の各種対策コースをぜひご検討ください。入学前の準備から国試本番まで、一人ひとりに寄り添った指導で歯科医師への道を後押しします。