歯学部に推薦で合格した方へ~歯学部入学準備リメディアルの勧め

歯学部に推薦で合格した方へ~リメディアルの勧め

はじめまして。推薦入学、もしくはAO入学で歯学部進学が決まられた方はおめでとうございます。

これから、大学生活が始まるに当たり、楽しみなことも不安なこともあるかと思います。まだ入学されていない皆様からすると、歯学部での生活というものは未知かと思います。

今回は、歯学部への進学が決まられた方、歯学部の進学を希望されている方向けに歯学部の大学生活について説明させて頂こうと思います。大きく分けて、以下の4部構成で説明していきます。それでは宜しくお願いします。

  1. 推薦入試後、入学までの半年間の勉強の重要性
  2. CBTや国家試験の合格率、合格者数の現状と学部での進級の難しさ
  3. 歯学部での講義内容、特に事前に学習しておいた方がいい生物・化学の勉強の仕方とスケジュール
  4. CESリメディアルコースのご紹介

歯学部推薦入試合格後、入学までの半年間の勉強の重要性

推薦入学後、合格が決まり安心感も相まって、勉強に関して少しだらけがちになってしまう方は少なくありません。

しかし、この半年の勉強に対する姿勢が、歯学部1年目の授業、加えてそれ以降の授業についていけるかを決めてしまうといっても過言ではありません。なぜなら、歯学部1年生のカリキュラムというのは、多くの大学において基礎医学科目、教養科目期と位置付けられているからです。基礎医学科目、教養科目というのは高校ではなじみのない言葉かと思います。

 

簡単に説明しますと、いわゆる英語や数学(統計学を含む)、物理、化学といった皆様が受験で勉強した内容がベースとなる医学を大学レベルで学ぶのがこれらの科目になります。歯学部に合格してしまったからといって、高校の学習内容は不要になるわけではなく、むしろ進級にとても大切な内容となります。

 

高校の学習内容は意外と忘れているもの

著者は一般入試で歯学部に入学しましたが、実は、入学までの2か月間はあまり勉強に触れていませんでした。合格した安堵感と、大学1年の授業内容というものをあまり理解していなかったためです。入学後に、大学1年での授業科目に高校までの内容が必要なことを知りましたが、たった2 か月間でも高校の学習内容を意外と忘れているもので思い出すのに苦労した記憶があります。

 

皆さんには、このような失敗をしてほしくないので、厳しいようですがあえて言わせて頂きます。入学が決まったあとも、高校の授業はしっかり聞いて、一般入試の方と同じように勉強をおこなって下さい。その頑張りは決して無駄にはなりません。

CBTや歯科医師国家試験の合格率、合格者数の現状と歯学部学部での進級の難しさ

CBTや国家試験の合格率、合格者数の現状と学部での進級の難しさ

次に、CBTや国家試験の合格率、合格者数の現状と学部での進級の難しさを順にお話ししていきます。

いきなりですが、皆さんは6年間の最終目標である国家試験の合格率をだいたいの数字でもいいので知っていますか。

これから、歯学部に入学する方は、知らない方の方が多いのではないかと思います。

厚生労働省が2023年3月16日に発表した最新の第116回歯科医師国家試験の合格率は63.5%となっています。人数でみると、3157人受験し、2006人が合格しています。

 

 

皆さんはこの数字が高いと感じますか、それとも低いと感じますか。感じ方は人それぞれですが、他の医療資格である医師国家試験の合格率の91.7%と比較してもかなり低いことがわかります。

つまり、歯学部を最短で6年間で卒業しても、3分の2程度の人しか合格できないようになっています。国家試験は、合格点が決まっているわけでありません。現在の流れとしてこの程度の合格率になるように調整されているわけです。

つまり、周りの受験者との相対評価によって合否がきまるわけなのです。なかなか厳しい試験ではないかと思います。

 

次にCBTについて説明します。CBTというのはComputer Based Testingの略で多くの歯学部では、4年生の後期で受験することになる試験です。パソコン上で、4年までに学習した基礎医学、臨床の内容の選択式の問題を解きます。

つまり5年生に進級し臨床実習を行うためには、どの大学の歯学部に所属していても、CBTの合格が義務付けられています。こちらは、正式な合格率は発表されていませんがもちろん落ちる方もいます。これまでの話をまとめると、歯学部に入学しても、4年生時にCBTを受験し、6年生では卒業試験、国家試験を受験し合格してやっと歯科医師免許を得ることができるわけです。

 

“留年”は他人事ではない

医療系界隈ではストレート合格率という言葉がよく聞かれます。これは、歯学部を6年間で卒業し国家試験に合格する方の割合のことですが、ネットで検索すると出てきたりします。なんと私立大学では50%を切る大学も多く、歯学部に入ったからといって簡単に卒業し歯科医師にはなることはできないことがわかります。
このデータをみても、留年する方が多く進級するのが難しいことを意味しています。いままでの話を聞くと4年生、6年生が留年のポイントになると思われるかもしれませんが、実はそうではなく、各学年で満遍なく留年する方が存在しています。

歯学部での講義内容、特に事前に学習しておいた方がいい生物・化学の勉強の仕方とスケジュール

歯学部での講義内容、特に事前に学習しておいた方がいい生物・化学の勉強の仕方とスケジュール

さて、大まかな歯学部生活の流れを説明しましたが、次にどのような内容を学習するのかを詳しくみていこうかと思います。

先ほど、1年生での学習内容をお話ししたかと思います。2年生以降は、多くの大学で専門教育期に入っていき、医療者として必要な知識を学んでいく過程となります。

ある大学のカリキュラムを実際にご紹介します。

【2年生】
2年生では、解剖学、免疫学、組織学、生理学、薬理学などの基礎医学とよばれる、どの医療系学部でも必要とされる講義があります。この学年では、実際の人体解剖実習も行い、総合的に人体の構造と機能を学んでいくわけです。
【3年生】
3年生になると、さらに歯学部特有の科目である保存修復学(簡単に言うと虫歯の治療)、歯内療法学(神経の治療)、有床義歯学(入れ歯)、口腔外科学(口腔腫瘍の治療など)についての講義がはじまるわけです。
【4年生】
4年生でも引き続き歯科補綴学(いわゆるかぶせ物の治療)など歯学部特有な内容を学びます。これらの科目が次々と進んでいき、各科目について試験が行われ、60点を切ると再試験となります。単純な暗記量だけでいうと高校3年間で学ぶ内容とは比べ物にならないほど多くのことを学習していきます。人によっては受験より大変という方もいるくらいです。
【5年生〜】
そして、先ほどでてきたCBTを無事突破すると、5年生からの臨床実習に入っていき、実際の臨床現場を体験しながら学んでいくことになります。この専門教育期に学ぶ内容は多岐にわたりますが、特に生物学、化学の知識をベースとする内容が多いかと思います。

 

特に生物学は非常に重要です。歯学部での講義はこれらの科目の高校程度の内容は理解しているものとして進んでいきます。ですので、生物を選択していない方はどうしても大変な思いをすることが多いように感じます。

 

生物学を選択していなかった方は、入学までの半年間に高校範囲の生物を一通り学習することをお勧めします。学習する際のポイントとしては、ヒトに関係する生物学のところを中心に学ぶようにして植物などの箇所はあまり手をつけなくてもいいかと思います。なぜなら、大学ででてくる生物学はヒトに関することが多いからです。

化学は、有機化学、酸塩基平衡などを中心に学習するようにすると大学での学習内容(特に生化学や薬理学)につながりやすいかと思います。これらの学習をすることで歯学部での講義の理解度も大きく変わりますので頑張って下さい。

 

ここまで読んで頂けた方は、高校までの学習内容が歯学部入学後に重要なことは少しでもご理解頂けたかと思います。とはいえ、全て自学で勉強するというのは、どこが重要なポイントかわからないといった声も多く聞かれます。

【歯学部入学準備】CESリメディアルコースのご紹介

CESリメディアルコースのご紹介

そこでCESリメディアルコースのご紹介です。CESリメディアルコースでは、経験豊富な講師によるこれらの高校内容の授業をマンツーマンで受けることができます。

単に、高校の内容を学ぶだけではなく、大学レベルまでは発展させた内容を学習することが可能です。更に、その内容が歯学部入学後の講義内容にどのように直結するのかも意識しながら学ぶことができます。1人1人に合わせた学習が可能ですので、一から学習したいという方はもちろん、学習済みだけれど更に発展的な内容まで学びたい方まで幅広く対応可能です。

近くに校舎がないという方向けにも、Zoomでの授業にも対応しています。一歩進んだ内容まで学んで、周りのライバルに差をつけ私たちと一緒に、大学生活をさらに充実させたものにしていきましょう!

 


著者プロフィール

CES歯科医師国試予備校 講師

国立大学歯学部歯学科を卒業、総合病院歯科口腔外科での研修を経て大学病院口腔外科学医局に入局。大学院に進学し、基礎医学の研究室にて博士号取得。その後、総合病院歯科口腔外科などの勤務を経て、現在CES歯科医師国家試験予備校にて講師として勤務。