歯学部生の悩み解決!効果的な勉強法と高校との違いを知ろう

歯学部生の悩み解決!効果的な勉強法と高校との違いを知ろう

晴れて歯学部へ合格したみなさん、おめでとうございます。大変だった受験勉強が終わり、やっとひと息つけるところだとは思いますが、ここがゴールではありません。

このようなお話も耳タコだとは思いますが、実技の比重が大きくなる歯学部では特にここから頑張ることが大切になるのです。

今回の記事にて歯学部ではどんな勉強をすればいいのかしっかり押さえ、元気に卒業できるように頑張りましょう。

高校までの課程との違い

まずは高校までと課程がどのように変わってくるのか見ていきましょう。

高校との最大の違いはズバリ、軽率な留年が現実的になることです。みなさんの中には単位制が存在する進学校に通っていた方もいらっしゃいますでしょう。

しかしそれでも何度も再試を行ってもらえたり、受験前の模試が単位認定に影響することはなかったりと厳しい対応はなく何人も留年まで至ることはなかったはずです。

 

一方大学では優しい先生でない限り再試は一度までとされていたり、CBTの成績をそのまま成績評価に用いる科目があったりと、もちろん大学の先生も留年生の管理をするのは面倒で嫌なのでできるだけ進級させようと試みますが、それでも高校と比較すると厳しい条件が課されています。

また、これは高校に近い要素となりますが、歯学部の科目は教養を除いて基本的にすべて必修科目となっており、一般大学のように数科目単位を落としても他の科目で規定数の合計単位を獲得していれば進級できるというような救いはありません。苦手な科目でも合格点を取れるようにみんなと協力して頑張るしかないのです。

高校までの課程との違い

次に、試験期間がやんわりとしか存在しないことが高校との違いとして挙げられます。

高校では長い授業期間の後、中間試験期間や期末試験期間が一か月程度確保されていたかと、筆者はそんな記憶があります。大学でも中間試験や期末試験が存在するのですが、基本的に試験日程は科目ごとに組まれており、他の科目のことをあまり配慮していないようになっている大学が多い印象です。

きつい実習の最中に別科目の試験が舞い込んできたり、複数の試験が同日に重なったり、数か月講義を続けてから試験を行う科目と数日の講義で試験を行って終了する科目が同時に走っていたりと、とても試験準備計画を立てにくい現象が発生するのです。

 

高校時代の筆者は試験前にみっちり講義をすべてノートにまとめなおして教科書やプリントにも目を通したいタイプだったので、試験期間に合わせて各教科4週間程度の準備日程を組んでいたのですが、大学に入るとそんなことは不可能に近く、かつ学習効率も悪いことに気が付きました。

ここにも大きな高校と大学の違いが存在するのですが、高校は板書ベースドの講義であるのに対し、大学は先生の作ったパワーポイントベースドであり、そのパワーポイントも使いまわすことが多いので重要なことは全て書いてありがちなのです。

試験スケジュール

するとノートをまとめなおさなくても(授業をしっかり聞いていたのであれば)資料を読むだけで講義内容を想起しやすく、ある程度理解する分には限りますが爆発的に効率が上昇します。

もちろん、説明があまりなされておらず自分で調べた分はノートに残していた方が後々見返すことができて便利ですし、大量の暗記を行う場合は紙にまとめなおした方が頭に入りやすいのでまとめなおしもある程度は必要だと思います。

 

また、留年について述べた別記事でも触れていますが、試験対策に過去問を用いるのは様々な意味でとても効率的です。筆者のように長期間準備してから定期試験に取り掛かっていた方々は、初めはきついかもしれませんが、余分な作業を削り、準備期間を少しずつ減らして理想としては最終的に一週間程度にできると良いでしょう。

歯学部で開講されやすい講義

歯学部で開講されやすい講義

ここからは、具体的に科目ごとにはどのように勉強すればいいのかいくつか紹介していきましょう。

こちらもまた以前留年についての別記事で取り上げた内容ですが、歯学部で一般的に開講されている科目についてまとめたものを以下に示します。黄色マークは比較的大変な科目です。

歯学部では医学部で勉強する内容の大枠に加え、口腔関係の基礎科目、口腔関係の臨床科目、歯科理工学など多岐にわたる科目が開講されており、科目数としては医療系で一番多いのではないかと囁かれているそうです。

1年生

人間性を高める系選択科目、数学、物理入門、生物入門、物理、生物、一般化学、英語、第二外国語選択、グループワーク高める系の科目、歯学入門、病院・研究室見学実習

2年生

解剖、組織、生理、発生、統計、倫理

3年生

歯型彫刻、微生物、免疫、病理、薬理、予防歯科、衛生、放射線、法歯学、医科講義

4年生

歯科理工、補綴(CrBr、PD、FD)、硬組織、保存(修復、エンド、ペリオ)、インプラント、臨床体験実習、研究実習

5年生

小児歯科、矯正、口外、特殊義歯、嚥下障害、言語障害、歯科心身症、非歯原性歯痛、高齢者歯科、CBT、OSCE

6年生

臨床実習、マッチング試験、臨床実地試験、卒試、実技試験、国試

生物入門の対策

はじめの一歩の生化学・分子生物学』を指定教科書としている大学が多いですが、本当に生物が苦手な人にとってはそれでも難しいと思いますので、高校生物の参考書などを読んで基礎的な概念をつかみに行くことが大切になるかと思います。

 

一般化学の対策

一般大学と共通して、化学とはいえほぼ物理のような内容となります。生物一筋でやってきて物理的な考え方があまり得意でない人は物理化学が得意な人に頼み込んだり、動画配信サイトの解説動画を見たりして対策しましょう。

 

解剖の対策

とにかく物量が多いですが、やってみると意外と用語が方向指示語の組合せで規則的に付けられていたり、穴と通る神経・血管の名前が同じだったりして希望を感じます。筋の走行や血管の走行は難関ですが、歯学部で問われる頭頚部においては頸部を除いてそこまで複雑でない印象なので、語呂合わせを活用しつつ地道に頑張りましょう。ここでしっかり覚えてしまえば意外とCBTや国試の際も頭に残っており、解剖暗記をあまりやり直さなくて済むようになるのでふんばりをおすすめします。

 

組織の対策

初見では細胞質がどこまであるのか、細胞そのものと核の誤認が多発します。筆者としては、実習の際には雰囲気にもよりますが一人で頑張り続けず積極的にTAに質問するのが効率よくておすすめです。実習をスムーズにこなせるようになれば試験も比較的スムーズにこなせるようになります。

 

生理の対策

講義資料を読み込み、メカニズムを自分で順番通りに言えるようにしましょう。ステップが分かるようにまとめなおすと覚えやすくなると思います。

 

発生の対策

解剖や組織、生理に繋がるのでとても大切です。しっかり理解しましょう。生理と同じようにステップごとのまとめを作るといいかもしれません。

まとめ

上記のように、科目にはそれぞれ特徴があり、全般的に言えることは講義を聞いて特徴を押さえると自学の際に効率よく行うことができます。

冒頭では主に定期試験の乗り切り方について述べましたが、定期試験に力を費やしたのとそうでないのではCBT・国試の際に必要な労力が全く変わりますし、その先どんな歯科医師になるかにも影響が少なからずでます。

自分はどんな歯科医師になりたいのかイメージしてここから頑張っていきましょう。