歯科医師国家試験の思考力型問題対策|症例文から判断の根拠を整理する

最終更新:2026年10月29日|CES歯科医師国試予備校

歯科医師国試の症例問題(臨床実地問題)の解き方|歯科医師国試予備校が解説

症例問題で必要なのは、知識を持っていることに加えて、設問の条件に合わせて知識を使い分けることです。

患者の情報、所見、問われている判断を分けて読み、答えの根拠を短く説明する練習を重ねましょう。難しい症例を大量に解く前に、基本事項とのつながりを確かめることが近道です。

この記事では、歯科医師国試予備校として受験生を指導してきたCESの視点から、症例文の読み方、根拠の確かめ方、復習の記録の仕方を整理します。過去問全体の使い方は過去問活用法の記事をご覧ください。

この記事の要点

  • 最初に「何を問われているか(診断・検査・対応・病態)」をつかむ。
  • 症例の情報を「経過」「主要な所見」「問われる判断」に分けて読む。
  • 正答の根拠と、迷った選択肢を選ばなかった理由を一文ずつ言えるようにする。
  • 臨床実地問題は1問3点(第119回)。根拠まで確認する価値が大きい。

出題基準の確認:第120回からは「令和9年版歯科医師国家試験出題基準」が採用されます。厚生労働省は、出題基準は4年ごとに改定され、今回は必要最小限の改定としたうえで「情報倫理及びデータ保護に関する原則」と「病院歯科等の役割」に関する内容の充実を図ったと説明しています。出典:厚生労働省「令和9年版歯科医師国家試験出題基準」

症例問題の位置づけと配点

第119回の公表資料では、配点は一般問題(必修問題を含む)が1問1点、臨床実地問題が1問3点でした。合否は領域A(総論)、領域B(各論)、必修問題の3つの基準をすべて満たしたかで決まります(厚生労働省「第119回歯科医師国家試験の合格発表について」)。

第119回歯科医師国家試験の合格基準(厚生労働省)
区分 第119回の合格基準
領域A(総論) 67点以上/99点
領域B(各論) 235点以上/352点
必修問題 62点以上/77点

臨床実地問題は1問の配点が大きいため、「なんとなく正解した」問題をそのままにしないことが大切です。正答の根拠を説明できない問題は、次の復習の対象に残しましょう。結果の詳細は第119回の結果発表の解説にまとめています。

症例問題の基本の読み方

1.最初に、何を問われているかをつかむ

診断名、必要な検査、対応、病態の説明では、同じ症例でも注目する点が変わります。設問を先に確認したうえで、年齢、経過、症状、画像・検査所見を整理します。すべての情報を同じ重さで扱わず、判断に直接関わるものを探してください。一つの特徴からすぐに病名を決めず、その候補と合わない条件がないかも確認すると、早合点に気づきやすくなります。

2.正答の根拠と、ほかの候補との違いを言う

解説を読んで納得したら、資料を閉じて「この所見があるので、この選択肢を選ぶ」と説明します。迷った候補については、どんな条件があればそちらを選ぶかを比べてください。毎回すべての選択肢を長く書く必要はありません。判断を分けた一点を言葉にできれば、知識の穴を確認できます。基礎事項を知らないまま推理だけで解こうとしていた場合は、その単元まで戻ります。

3.出題傾向の話と学習方法の提案を分けて考える

「最近は思考力を問う問題が何割増えた」と言うには、問題の分け方と集計の根拠が必要です。この記事では独自の増加率は示さず、症例を読んで判断する練習方法を提案します。出題範囲は受験する回の出題基準で確認してください。出題傾向の整理は出題傾向と思考力型問題対策の記事も参考になります。

状況別の比較表

今の状況から取り組む内容を選ぶための整理です。自分に近い行を選び、右の確認方法まで予定に入れてみてください。

状況・取り組む内容・確認方法の比較
現在の状況 取り組む内容 確かめること
設問の目的を読み違える 診断・検査・対応のどれを問われているかを先に区別する 求められた判断を一文で言えるか
一つの所見で決めてしまう 候補と合わない条件がないかも確認する 決め手と、ほかを外した理由を分けて言えるか
解説がないと説明できない 基礎知識と症例の情報を結び直す 資料なしで根拠を説明できるか
画像問題で迷う 位置・形・範囲などの所見を言葉にする 病名の前に所見を説明できるか
時間が足りない 設問を先に読み、必要な情報から拾う 見直しの時間を残せたか

実行する学習フロー

STEP 1 設問が求める判断を確認する

診断・検査・対応・病態のどれを問われているかを決めます。

STEP 2 症例の情報を、時間の流れと所見に分ける

「経過」「主要な所見」「問われる判断」の3つに要約します。

STEP 3 根拠を使って候補を比べる

選んだ理由と、迷った候補を外した理由を一文ずつ書きます。

STEP 4 解説と照らし合わせ、足りない基礎を補う

説明できなかった部分は基礎の単元に戻り、別の日に解き直します。

この順序は学習の提案です。症例文の要約は試験問題を検討するための方法で、実際の患者の診断や治療をこの要約だけで決めるものではありません。

自分用の確認メモ

読み終えたら、次の項目を手元のメモに一行ずつ書いてみてください。最初からすべて埋める必要はありません。

  1. 設問の目的:________
  2. 主要な所見と経過:________
  3. 判断を分けた条件:________
  4. 迷った選択肢との違い:________
  5. 足りなかった基礎の確認先:________

歯科医師国試予備校で症例問題を練習するメリット

症例問題は、自分の根拠が正しいかを一人で判断しにくい分野です。歯科医師国試予備校で講師に根拠を説明し、足りない知識をその場で確認する方法もあります。CES歯科医師国試予備校の主な特徴は次のとおりです。

  • 歯科医師講師によるマンツーマン指導:20名以上の歯科医師講師が在籍し、歯科医師国家試験の試験委員や幹事委員を務めた講師も授業を担当しています(講師紹介)。
  • 希望する教材で授業:国試の過去問、大学の過去問やプリント、教科書など、受講生が希望する教材で授業を進められます。希望がない場合は、講師が授業用プリントを用意します。
  • 学習カウンセリング:公認心理師による学習カウンセリングで、目標の立て方や計画作りなど、学習面のサポートを受けられます。
  • オンラインと通学:全国どこからでもオンラインで受講でき、福岡校ではマンツーマン専用教室で受講できます(予備校の特徴)。

国家試験対策コースの授業料は1コマ90分33,000円(税込)です。入学金は大学現役生55,000円、既卒生は通年コース110,000円・半期コース55,000円で、教材費は実費です(2026年10月20日時点)。詳しくは受講料のページ、予備校の比べ方は歯科医師国試予備校の選び方をご覧ください。

よくある質問

思考力がないと症例問題は解けませんか?

まず、判断に必要な基礎知識と、症例文を読む手順を確認しましょう。漠然と「思考力の問題」とせず、どの条件で判断が止まったかを分けると、復習する場所が具体的になります。

臨床実地問題は配点が高いのですか?

第119回の公表資料では、一般問題(必修問題を含む)が1問1点、臨床実地問題が1問3点でした。1問あたりの配点が大きいため、正答の根拠を説明できるかまで確認する価値があります。

すべての症例を文章で解説すべきですか?

毎回長く書く必要はありません。判断を分けた根拠と、迷った選択肢との違いを一文ずつ残す方法から始められます。

難しい症例問題だけ解けば対策になりますか?

基本事項に不足がある場合は遠回りになります。基本問題で知識を確かめ、その知識を症例で使う、という順序も取り入れましょう。

画像問題が苦手な場合はどうすればよいですか?

病名を先に覚えるだけでなく、位置や形などの所見を言葉にします。画像の見方は、大学の教材や講師の説明で確認してください。

生成AIの解説を使ってもよいですか?

補助として使う場合も、正答や根拠は教科書や公的資料と照らし合わせてください。誤った説明や、実在しない出典が混じる可能性があります。

まとめと相談

まずは、設問が求める判断を確認することから始めましょう。解説と照らし合わせて足りない基礎を補い、別の日に根拠を説明し直すことで、自分に必要な次の行動が具体的になります。

症例問題の根拠の立て方を、歯科医師講師と確認する

CES歯科医師国試予備校では、歯科医師講師によるマンツーマン指導で、症例問題の読み方や根拠の説明を一緒に確認できます。相談のときは、模試の成績、間違えた問題、使っている教材など、共有できる資料をご用意ください。必要な科目と指導内容、受講条件は個別に確認します。

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